拾漆 ページ17
「藤宮さん、あと三周!!」
「は、はいぃぃ……!!」
煉獄さんのお屋敷で体力作り。
鍛えてくれるのはとっても光栄な事だけど、今まであまりハードな運動はしてこなかった私にとっては地獄そのもの。
「藤宮さん、よく走りきった!!偉いっ!!」
土の上に寝転んだ私を覗き込みながら、爽やかな笑顔で言う煉獄さん。
あぁ、なんかスッキリ。
肺が死ぬほど痛いけど、なんか気持ちがいい。
袴で走ったから、汗もびっしょりかいて、火照った頬を冷やしてくれる風がとても気持ちよく感じる。
「はぁっ、ふふ……なんかいいですね……はぁ、はぁっ……」
髪に土がついても構わない。土の冷たさ、走りきった後の開放感が本当に心地よいのだ。
「藤宮さん、これで終わりではないぞ?」
「えっ?」
「君は俺の任務に同行するのだろう?」
「うっ、はい……」
煉獄さんはまたニコリと笑う。
「次は木刀素振り百回だ!!」
「うぁぁぁ……ぁはい!!」
これも煉獄さんの任務に同行するためっ……諦めたらそこで____なんとやら!!
頑張るぞ…!煉獄さんの勇姿をこの目で見る為にっ!!
そして、百回の素振りをニ時間もかけてしまった。
最初は…出だしは調子良かったが、五十回を、超えてきた辺りからもう辛くて辛くて。
持ち上げるのも苦痛、勢い任せにおろせば、地面に木刀を打ちつけた反動でさらに腕が痛くなり、著しい握力の低下。加えて、腰も痛くなってくる。
とんでもなかった。
「はぁっ、ぁ、……う、腕が……」
もう完全に上がらない。握力も入らない。
そして、地面に倒れる。
「藤宮さん、初めてにしてはよく頑張っているなっ!休憩にしよう!!」
「やっ、やったぁぁぁ……!!」
声だけ上げて、私は意識が飛んだ。
***
「あ、れ?」
目を覚ませば、縁側でタオルを掛けられて寝ていた私。
起き上がろうとしたら、まだ一日も経っていないというのに、全身筋肉痛になっていて、悲鳴を上げそうになった。
「くっ……」
歯を食いしばりながら起き上がると、煉獄さんが木刀を振っていた。
その素振りは綺麗で。
初心者の私が見ても、それが完璧な素振りなのだろうと、感じた。
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古猫丸(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍様!いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)そうなんですよね!主人公ちゃんめちゃくちゃ高難度の技をやってのけているんですよ!!軽く大まかな事を描いて、後付けでじっくり描いていたのではないかな〜と思います!(*´艸`*) (2021年5月3日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく考えたら主人公ちゃん静物じゃなくて動物スケッチしてるんですよね…すご。 (2021年5月3日 0時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 華さん» 今回は珍しく兄貴切り抜け話だったので、レア中のレアです!この話も一番最初に話を練ったときは兄貴はそのまま見届けられる感じで、来世の話も無しの一番切なかったのですが、やっぱり幸せエンドにしました(*´-`*)次回作、頑張りますっ〜!(*´▽`)ノ (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 彩乃(yumeko)さん» 彩乃(yumeko)さん、コメントありがとうございます!(*´∇`)旅館のシーンは他の話と比べてちょっと甘めですよね!(*´艸`*)ふふふ。こちらこそ最後まで目を通していただき、ありがとうございました!m(_ _)m (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 丸ちゃん、完結おめでとうございます(*´ `)最後、煉獄さんが無限列車を切り抜けて良かったと思いました!二人が幸せな結末で良かったです。次のお話も楽しみにしていますね! (2021年5月2日 22時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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