06─…疑問 ページ6
(side.宇髄天元)
楽しかった生徒たちによる
誕生日パーティー。
あの後時透兄弟にもお菓子を、
小さい煉獄には手作りのお菓子、
胡蝶(妹)には薬の様な不思議なドリンク
(味は美味しいらしい)をもらった。
バレンタインの時よりも多くもらった。
両手に大きな紙袋、各腕に二袋分の量
だから消費するには地道に食べなくては。
そんな事を考えて、職員室の戸を開ければ、
扉の目の前には煉獄のどこを見ているか
分からないような顔が、ぬぅんと。
「うお」
「宇髄！随分と遅かったな！！
楽しかったか？
生徒によるサプライズパーティーは！！」
「近い近い…」
「よもや！それはすまなかった！！」
はっはっは！豪快に笑った姿を見ては
通常運転な煉獄にほっと安心した。
「嗚呼…、
実に凄まじかった…」
涙を流しながら、悲鳴嶼さんが生徒の事に
ついて感想を述べた。
「冨岡、今日は帰りの見回りしてないな？」
「…生徒が頑張っていたからな」
普段、放課後の見回りは冨岡が行う事が
ほとんどなのだが今日に限っては
お菓子を没収されたという噂を聞かないし、
見回りをしていなかったようだ。
それに、こういう確認は伊黒がネチネチ
問うだろう。
だから、普段とは少し変わった様子に
困りつつある。
通常通りじゃないと調子が狂う。
「宇髄、今夜の予定は何も無いな？」
「…？嗚呼、地味な事に暇だ」
「なら、帰りに温泉でも行かねェかァ？」
自席の周りを片付けながら、あまり嫌そうな
表情をせずに提案をする不死川(兄)。
予定も何も無いから俺の答えは勿論、
「おう、良い案だな。
つかなんで、いきなり？」
「うむ！気にする事はない！
お風呂屋に向かう事にしよう！！」
「…？？」
何か
にこにことした表情の豊かさに疑問を持つ。
だが、この職員室に居る不死川(兄)と煉獄に
背中を押されてしまって疑問は飛んだ。
残りの二人…伊黒と冨岡は微笑ましく
押された俺を見ていた。
(冨岡はむふふと面白い笑い方だった。)
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作者名：緋燈 ． | 作成日時：2020年10月31日 13時
