閑話 3月14日 ページ7
3月14日。
今日は大学も春休みでないので、朝から部屋の掃除をしていた。
今日は良い天気で洗濯日和である。
そして掃除が一段落し、時計を見るとちょうど12時。
「今日のお昼ご飯は…何にしよう」
冷蔵庫の食材を考える。
「無難にパスタにしようかな…」
考えているとインターホンが鳴る。
モニターを見ると、黒いスーツ、そして、少し見慣れた髪色が映る。
「煉獄さん!!」
すぐに扉を開けようとするが、以前すぐに扉を開けると怒られたので、ドアアイで確認する。
「確認よし!」
そして扉を開けると、煉獄さんは少し不満そうだった。
「……煉獄さん?」
「今回はいつもよりも確認しているようだが……まだ甘いな。Aは特に防犯面には気をつけなければ…」
煉獄さんが目を細めて、私を見下ろしてくる。
でも正直な事を言ってしまうと、目を細めて見下ろしてくる煉獄さん……凛々しくて注意を受けているはずなのにドキドキしてしまう。
「A?褒めていないぞ」
「ひっ、いひゃいです……」
頬を引っ張られて、痛いのに、私はドキドキしながら顔を逸らす。
「はぁ……」
煉獄さんは額を押さえたあと、摘んだことで少し頬が赤くなってしまったのだろうか。部屋に入ってもらってから、煉獄さんは私の頬を何度も撫でている。
「あ、あの……れ、煉獄さん!!」
クッションを置いて座ってもらうも、真剣な眼差しを向けられる。そして無言のまま頬を撫でられるのだ。
もう心臓は飛び出そうなぐらい高鳴って、見ていられない。
耐えきれなくなった私は何とか煉獄さんの名前を呼ぶと、彼はゆっくり私の目を見る。
「A」
「…えっと、その私、頬は大丈夫です」
「すまない。強く摘んだつもりはなかったのだが…Aの頬はこうも簡単に赤くなってしまうのだな」
絶対それは私が煉獄さんへの耐性がなくて赤くなってしまったのもあると思う。
「あ、あの!煉獄さん、この時間帯に来られるなんて珍しいですね」
急いで話を変えると、煉獄さんは私の反応を見て少し面白そうに目を細めて笑う。
今日の煉獄さん、いつもよりも色気があり過ぎて目のやり場に困ってしまう。
「…あぁ、今日はA、君に渡したいものがある。というのも───」
煉獄さんは立ち上がり、一度外に出てしまった。
そして、すぐに扉が空いた。
「今日はホワイトデーだ、約束しただろう?」
煉獄さんはニコリと笑って私を見つめた。
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丸(プロフ) - エスちゃんさん» ありがとうございます(*´-`*) (1月30日 21時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
エスちゃん - 私はとくにこれが好きなので待ってます❗️ (1月30日 12時) (レス) id: 2c7c01870e (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - エスちゃんさん» エスちゃん 様っ!これはこれは嬉しいコメントをありがとうございます(*´艸`)励みになります!!この丸、腕をぶんぶん振り回して頑張りますね!!ありがとうございます! (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
エスちゃん - 続きが見たいです‼️楽しみです❗️ (1月30日 8時) (レス) id: c1a6291b46 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - こぐま☆にゃんこさん» わぁぁ!こぐま☆にゃんこさま、お久しぶりです!続編初のコメント、とても嬉しいです(*/-\*)こちらこそありがとうございますっ!! (1月21日 21時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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