オタク、一線越えちゃいました【桃】

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阿部side







「でさぁっ！！！急に連絡とれなくなってさぁ？！


連絡手段ぶろっくされちゃって、もう俺どうしたらいいか分かんないの


自分でもこんなすきだってわかんなかったから





今すごい辛い」







約束通りご飯屋に来た俺とさくま




ご覧の通りべろべろになって惚気も入ってる愚痴を聞かされてる





「ねぇ阿部ちゃんきいてるぅ？！



おれAちゃんになんもしてないのに！」







そんなにお酒に強くないはずなのに強いのをガバガバ呑んで……







こんな事言いたくないけど、ウジウジしすぎててイライラしたから言ってやる




「佐久間は、ちゃんと真剣に好意を伝えた？

何もしてないは、言葉の意味のまんまだよ




好きだったら行動しなよ。出来なかったから居なくなったんでしょ？

いい大人がみっともない。


ハッキリ言うと佐久間のしてた事はただの思わせぶりだよ


1番最低なね」






俺がこんなに否定から入るなんて今まで無かったから佐久間は目を丸くして、大きな目に涙を滲ませて俯いた









「思わせ……ぶり」





「佐久間、いつだって好きな人と結ばれる訳じゃないんだよ



ちゃんと前向いて、吹っ切れないと生きていけないよ



好きなら、思い続けてればいいじゃん。


簡単な気持ちで好きなら、応援は出来ないけど




本気なら、きちんと応援するよ」








「てか、話聞いた限りだど家行ったことあるんだよね？

家行ってみれば？」






俯き気味の顔をバッとあげて涙をゴシゴシ吹いた佐久間は口をあんぐり開けた







「俺、帰るね」





1万円札をバンっと机に置いて走り出した佐久間






「相手も佐久間も鈍感って感じがするなぁ」









まだ自分のコップに残ってるレモンサワーをグイッと飲んで俺も店を後にした

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