肆拾陸 ページ9
.
「………はいっ!?いえ、そんな…!!」
「良いから。俺がAに買ってやりてぇの」
でも、と言おうとすると、やけに据わった目で端的に告げられる。
「俺好きな女には貢ぎたいタイプなの。ほら、いってこい」
「え、す、すきなおんなって…!?」
唐突に愛の告白をされ、そしてそのまま何人かの店員さんに「お連れ様こちらで御座います」と案内される。
え、え、と混乱しながら広い和室の中でぽつんと1人待っていると、どたどたと慌ただしい数人の足音が聞こえてくる。
すぱーん!、なんて音が聞こえそうなほど強く襖が開かれ、2人の男性がいくつもの綺麗な着物を両手に抱えているのが見えた。
「はじめまして!相川真冬と申します、今回うらたさんにお願いされていくつかお仕着せを選ばせていただきました!」
純白の白い髪と肌に、血みたいに透き通った赤色の大きな瞳。なぜか右頬に
よろしくお願いします!なんて深々とお辞儀をする真冬さん…まふさんの隣に座っているのは、気だるげにあくびをしている、濃紺の髪と瞳の──女性かと間違うほど綺麗な、ふわふわした髪の男性だった。
「ほらそらるさん!あのうらたさんのお嫁さんですよ!ちゃんと自己紹介してください!」
「……お前、急に大声出すな……」
そらるさんもういい歳なんだよ?労わってよなんて言いながら彼はずっと姿勢を正してわたしに向き合う。
「あー、一ノ瀬彼方って名前だから、そらるって呼んで。うらたくんとは幼なじみみたいなもんだから。色々聞いてるよ」
一ノ瀬彼方のどこにそらる要素を見出したのか正直謎だったが、折角自己紹介してくれたのでわたしも自分の名を名乗る。
………というか…男性二人が着替えの手伝い………?
.
715人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
影月希望(プロフ) - 長男さん» 作品にメールアドレスを登録していた場合。アカウントのパスワードが発行されると思うのでそれを打ち込めば再ログインできると思います。あと、とても素敵な作品です。続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年3月7日 13時) (レス) @page27 id: 2a5085a77b (このIDを非表示/違反報告)
長男 - ちょこさん» 戻りたいんですがいかんせん機種変したせいでログインできなくなってしまって…т т (2023年3月3日 19時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2022年5月10日 12時) (レス) @page27 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
長男(プロフ) - そうです無事高校生になりました村人Aです…まじで申し訳ないです… (2022年4月25日 23時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - 長男さん» えっ!!?村人Aさんなんですか!? (2022年2月23日 17時) (レス) @page27 id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:村人A | 作成日時:2021年1月13日 21時