安心感 ページ8
「ぁ……」
「俺の心臓聞きながら、落ち着いて呼吸してみろ」
ドクンッ、ドクンッ……
耳にあたる分厚い胸板から聞こえる心臓の音。
まるで大地を揺らすかのように
強くわちきの鼓膜を揺らす。
背中に回された大きな手は
鼓動に合わせて優しく背中を撫でる。
触られた所が、温かい…
さっきまで宇髄殿に対して
恐怖しか感じなかったのに
―――不思議な安心感がわちきを襲う。
わちきは目を閉じて
受け入れる事しかできなかった。
.
「……落ち着いたか?」
しばらくしてから、宇髄殿が背中を撫でる手を止めた。
いつの間にか呼吸は整っていて
わちきは勢いよく宇髄殿から離れる。
「え、えぇ。申し訳ござりんせん…」
「いや、今のは派手に俺が悪かった。過呼吸になるまでビビらせるつもりは無かった、悪ぃ」
「これ、は…わちきの問題でありんす。気にしないでおくんなし」
わちきは昔から周りより少し体が弱かった。
今は昔よりは大分落ち着いたが、少しの衝撃で過呼吸を起こしたりする事がごく稀にある。
それが偶然、宇髄殿がいる時に起きただけの話。
だけど…こんな時に誰かが側にいて、背中をさすってもらうなんて事は
生まれて初めて。
さっきまでの恐怖がまるで嘘かのように宇髄殿に
安心しきってしまっている自分がいる。
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麗(プロフ) - 続きを読める事を楽しみにしてます! (2020年11月13日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - あーやさん» あーやさんコメントありがとうございます!感動系の物語を書けたらな、とずっと思ってたので本当に嬉しいです!!こちらこそ読んでいただきありがとうございます(泣)これからもあーやさんが泣ける様なお話書けるように頑張ります!! (2020年8月13日 3時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
あーや(プロフ) - 切ないです、、、涙腺弱いのでウルウルしながら読んでますw素敵な作品をありがとうございます!更新頑張って下さい! (2020年8月13日 2時) (レス) id: 396fc52ffc (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - 皐月ばっふぁろーさん» 皐月ばっふぁろーさん嬉しいお言葉ありがとうございます!!超ノロマ更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
皐月ばっふぁろー(プロフ) - めっちゃ面白くて読み込みました!続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 2時) (レス) id: 9e1ebe4e73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チュロス | 作成日時:2020年4月9日 22時