決意 ページ34
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宇随殿達と最後の別れを告げ
早数日が経っていた。
荒れ果てた花街は相変わらず木っ端微塵に
散らばった木材や破片ばかりが広がっていた。
「……A」
「女将さん…何かありんしたか」
隣で頭を抱える女将さんに声をかけた。
「ときと屋はもう…」
その後の言葉は聞かなくても理解出来た。
あそこまで木っ端微塵になった遊郭を
一から建て直すお金など誰も持ち合わせていない。
つまりわちきら遊女はもう…
住み所も食べる物も着る物も全て失うのだ。
「せめてあんただけでも良いとこの坊ちゃんに身請けさせてやりたかったんだけどね…」
今にも崩れ落ちそうな女将さんの肩を支える。
泣かないでおくんなし。
わちきなら大丈夫でありんす。
心配なのはわちきより幼い禿達だ。
まだ一人で生きて行く術も知らぬというのに
いきなり外の世界に放り出されれば
また同じように売られるか餓死する他ない。
もうこれ以上惨めな思いはさせたくない。
どうにかあの子達だけでも……
「女将さん、昔わちきに求婚してきた方々の名前を覚えてありんすか?」
「まあ一応、名や住み所をまとめた書は持ってるけど……A、まさか―――」
「女将さん…全てわちきがどうにかしなんす」
わちき1人でも身請けされれば
女将さんに一気にお金が入ってくる。
そしたら一時的だとしてもどうにか
立て直すことはできるだろう。
わちきに出来ることはそれくらいしかない。
好いてもいない人と
結婚するのには些か気が引けるが
我慢する事にはもう慣れた。
わちきには守るべきもの
守らなければいけないものがある。
例え、その身を
その心を
犠牲にしたとしても。
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麗(プロフ) - 続きを読める事を楽しみにしてます! (2020年11月13日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - あーやさん» あーやさんコメントありがとうございます!感動系の物語を書けたらな、とずっと思ってたので本当に嬉しいです!!こちらこそ読んでいただきありがとうございます(泣)これからもあーやさんが泣ける様なお話書けるように頑張ります!! (2020年8月13日 3時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
あーや(プロフ) - 切ないです、、、涙腺弱いのでウルウルしながら読んでますw素敵な作品をありがとうございます!更新頑張って下さい! (2020年8月13日 2時) (レス) id: 396fc52ffc (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - 皐月ばっふぁろーさん» 皐月ばっふぁろーさん嬉しいお言葉ありがとうございます!!超ノロマ更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
皐月ばっふぁろー(プロフ) - めっちゃ面白くて読み込みました!続き楽しみにしてます! (2020年7月5日 2時) (レス) id: 9e1ebe4e73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チュロス | 作成日時:2020年4月9日 22時