貴方が愛してくれるなら

君が愛してくれたから ページ2

余命は後半年もないそうで。
今日は長年付き添ってくれた妻に、病院から帰宅すれば。話があると言って。
お互いに椅子に座った。

「どうしたの、改まっちゃって」

ふふっ と笑う彼女。
ああそんな君が愛おしい。でもそれでも伝えなければならない言葉があるんだ。

「もう君とは、やっていけない」

僕はそれ以上言葉が出なかった。
今僕は41歳。君も同い年。
こんな余命半年の人間なんてほっといて。

別の人間と幸せになって欲しい。

君は少し黙ったあと静かに目を閉じて

「ごめんなさい」

そう僕に謝った。謝罪の言葉は自分がしなくてはならなくて。
僕は妻の行動で、涙腺が緩みそうになる。そうじゃないんだ。という言葉を出そうと息を吸った時

「今日……。病院で、半年と言われたんでしょう？」

妻からその言葉が聞こえた時。俺はハッとした。
"え。どうして……"
そんな疑問を他所に妻は微笑みながら

「私が、貴方の事何も知らないとでも思う？
もーほんとにバカね」

そう言って。

「残り半年？上等でしょう？
貴方、私を捨てるなんて許さないんだから」




＿＿＿＿あぁ、僕はそんな君を愛してる

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