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NO視点
彼の部屋に誰かが入ってきた
彼の兄のファレナだ
ファレナ「レオナ！何故今日の式典に来なかった？」
レオナ「式典？あぁ、兄貴の息子を国民に見せびらかす親馬鹿パーティのことか？それは失礼を。つい二度寝しちまった」
一つあくびをし
再びベッドへつく
ファレナ「国民に未来の王の顔見せをする大切な日だ」
レオナ「確かにめでたい日だな。嫌われ者の第二王子の王位継承権が消えた記念日だ」
ヘラリと嫌な笑みを浮かべる
ファレナ「そんな言い方はよせ！」
彼の兄は怒鳴る
レオナ「生まれた順番が早い奴は得だよな。毎日歌を歌いながらゴロゴロ昼寝したって王になれる」
ファレナ「レオナ…たとえ王になれなくとも、お前は賢い。この国のために出来ることがたくさんあるはずだ」
レオナ「この国が頭の出来で王を決めるしきたりならやる気も出したんだがな」
彼は立ち上がり
部屋を出る
ファレナ「レオナ、待つんだ。レオナ！」
【ほんの数年遅れて生まれてきたというだけで】
【何故こんな思いをしなくちゃならない？】
【生まれてきた時からずっと】
【どれだけ勉強しようが】
【どれだけ魔法を】
【使えるようになろうが……】
【生まれてから死ぬまで】
【兄より優秀だと】
【認められることはなく】
【王にもなれない】
【何故、俺は第二王子に生まれた？】
【何故だ】
【何故だ】
【何故だ】
.
_____【人生は、不公平だ】
.
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作者名：箔月 | 作成日時：2023年8月10日 11時
