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一虎視点
タケミっちが橘直人に連行された
俺は、すぐにAのいる病院へと急いだ
_____
一虎「あの…Aは…」
医者「最善を尽くしましたが…もう…」
一虎「!」
嘘だ…
ようやく、また会えたのに
一虎「……」
俺は、Aの眠っている部屋へ入った
A「……」
酸素マスクをつけて眠っていた
寝ている姿は、兄である場地圭介とそっくりだった
一虎「…A。起きてくれ」
ギュッ
Aの手を強く握った
心拍数は弱くなっていくばかり
お願いだ…
逝かないでくれ
A「……か…とら」
一虎「!」
A「…かず…とら…」
一虎「A!!」
A「…やっと…直接…会え…たな…」
一虎「しゃべるな!今、医者呼ぶから!」
俺は、医者を呼びに行こうとした
A「…もう…いいんだ…」
と、Aは言った
一虎「何がもういいだ!絶対助かるから!!」
A「…自分の…体は…自分が…一番…よく知ってる…」
一虎「ッ……そんなこと言うな!」
A「私の人生…よくわからなかった…」
一虎「A…」
A「東卍を、元に戻そと…したけど…無理だった。私は…ただ、ガキの頃に…戻りたかった…だけなのにな…」
Aの目からは涙が流れていた
一虎「…お願いだ…死なないでくれ…」
ギュッ
A「…一虎…これを、お前に…託す」
そう言って、Aはあの時のお守りを、俺に渡した
一虎「ッッ…託さなくていい!生きろ!!」
A「ごめん…なぁ…」ニコッ
Aは、昔のような笑顔で笑った
スルッ
すると
握っていた手が重力に従い、下に落ちていく
一虎「A?おい!A!!起きろって‼︎A‼︎」
俺は、Aを強く抱きしめる
一虎「ッ…」ポロポロ
起きてくれよ…
A…
午前9時45分
場地A
死亡
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作者名:箔月 | 作成日時:2022年1月16日 2時