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武道視点
俺らは、とある東卍が営業している店に連れてこられた
テクテク
稀崎「いいトコだろ?最近作った店なんだ」
武道「へーすげぇ」
稀崎「まぁ座れよ」
武道「あ…はい!」
稀崎「エリックも」
エリック「失礼します」
スッ
稀崎「時間作ってもらって悪りぃな。お前も座れよ、千冬!」
松野「…いえ、自分はそういう身分じゃないんで」
稀崎「ハハ。相変わらず固ぇな」
稀崎鉄太
警察でも尻尾すら掴めないこの男
だけど…コイツが本当にあの稀崎なのか?
稀崎「俺らも随分長い付き合いになったよな」
武道「え…はぁ…」
稀崎「東卍に入って12年…。今でも、あの時の仲間達でこうやってつるんでられるなんて、思ってもみなかった」
武道「……」
稀崎「意外な事言ってるから?」
武道「あ…いやっ」
エリックって人はずっと黙ってるままだった
元黒龍組…
元々、東卍とは関係ない人だもんな
稀崎「タケミチ…千冬…。俺の事どう思ってる?」
武道・松野「え?」
稀崎「恨んでるだろ?丁度、12年前のコレぐらいの季節だったな…場地が死んだのは。
あれは全部、俺のせいだ」
武道・松野「!!」
エリック「……」ピクッ
稀崎「……血のハロウィンは、俺が仕組んだ」
武道「……」
それは知ってる
けど、なんでわざわざ今、自分から?
エリック「稀崎さん。その話、俺に関係ないんじゃ」
稀崎「まぁ、聞いてくれよ。…半間を使い、羽宮一虎を丸め込み、芭流覇羅という組織を作った。そして、東卍に芭流覇羅をぶつけた」
そう言いながら、稀崎は、グラスに酒を注ぎ込む
松野「……何の為に、そんな事を?」
稀崎「………力が欲しかったんだ。賞賛される功績が欲しかった。俺が、この抗争を収めれば、大半が俺にひれ伏す。
……必死だった。場地が死ぬとは、思わなかった…」
エリック「……」
稀崎「本当だ、千冬。すまなかった」
松野「!」
稀崎「ずっとこうして謝りたかった。12年経ってわかったんだ。大切なのは仲間だ」
武道「……あの時の事、後悔してるんですか?」
俺は、稀崎にそう問いかけた
松野「……」
すると、稀崎は
稀崎「忘れる日はなかったよ」
と、微笑みながら言った
稀崎「この先も俺を恨め。でも、今日だけは一杯付き合えよ」
そう言って、グラスの方に目をやっていた
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作者名:箔月 | 作成日時:2022年1月16日 2時