もう一人の姉

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五条「あれま。知ってるんだ」

『知ってるよ。だってアンタ…父さん殺した人だろ』

五条「うん。そうだよ」

『やっぱりな。それで、用事ってのは禪院家の事か？』
　
五条「あれま。知ってたの」

『あぁ。父さんが禪院家の生まれってのは聞いたしな。でも、呪術ってのはまだ、よくわからない』

五条「よく知ってるね。ところで今何年生？」

『えっ…二年だけど』

五条「まじで言ってる」

『うん』

五条「小2に見えないね」

『よく言われる』

五条「そっか…ところで」

『うん？』

五条「呪術師にならない？」

『なんで？』

五条「君達の術式は禪院家相伝の十種影法術なんだよ。それで、君のお父さんが君達を禪院家に売ったって訳」

『それで？』

五条「それで、僕がね。禪院家の件を帳消しにしたんだけど、条件があってね。その条件はね。君達が将来、呪術師として働くっていうのが条件なの」

『…わかった。私はそれでいい。だけど恵はどうするんだ』

五条「心配ご無用。僕が、訓練するから問題なし☆」

『…はぁ。父さんを殺したやつの信用するとか馬鹿だな。私…』

五条「まぁ。心配いらないでしょ。だって君、アイツの子供なんだから」

『うん…そうだけど』

五条「それに、まだ子供なんだからもっと甘えてもいいんじゃないの？」

『それは別にいい』ﾌﾟｲ

五条「そう」

『私は、十種影法術を完璧に使いこなせていない。今出せるのは、玉犬と鵺と脱兎くらい…』

五条「それだけでも十分すごいよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

『勝手に撫でるな』

五条「えっ。なんで？」

『撫でられたの久しぶりだから…』

五条「誰に？」

『父さん…初めて式神出したときに。すごいって褒めてもらったとき以来』

五条「ふーん(アイツ、そんなことしてたんだ)」

『…死んでほしくなかった』

五条「…ゴメンね」

『父さん…』

五条「……」

『…』

五条「まあ。頑張りな」

『うん』

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