序章と常識 ページ8
言い終わっても尚、
心臓はばくばくと暴れていた。
____________ともあれ乗りきれたみたいだし良かったのかな
「アイドルとしてはまぁまぁだな〜。まぁ、いいや。俺は佐賀美陣。よろしくな」
佐賀美陣と名乗ったその人は
そう言って緩やかに広角を上げた。
「席はそこの空いてるところに座ってくれ」
佐賀美さんが示したのは
窓側の一番後ろ。
三人が横一列になる形で机が置いてあった。
特に誰が此処とか言われてないし適当でいいのかな。
そらるさんの後を着いていきながらそう思う。
すると、Aとそらるさんも同じことを思ったのか
席の近くに着くなり「どこにする?」と聞いてきた。
「んー。俺、窓際がいい」
「いっちばーん」なんて言いながら座るそらるさん。
「そうだな〜。じゃあ、まふは真ん中ね〜。」
「え、でも」
「さすがに、初対面の人と隣って言うのは私が心配だからね」
無理矢理僕を座らせて
こそっと耳打ちする彼女。
見ると確かに彼女の逆隣はここの生徒だった。
彼女が僕を気遣ってくれたと気づくのに時間は要らなかった。
僕はこれからの生活に楽しみ何てものは期待していなかった。
なんてったて長年、この三人で生きてきたのだ。
常識が何かも分からないし、応答の仕方も曖昧。
そして、Aも少なからず、捨てた筈の何かを思い出すことになるだろうし。
そらるさんだって。
人と接することでトラウマ級の昔を思い出すだろう。
あぁ、前途多難だなぁ。
苦笑いした僕はそっと溜め息をついた。
それを見ている影があることを知らずに。
50人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年6月16日 7時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
シュミレ - 更新ファイトです! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 119b01067b (このIDを非表示/違反報告)
涙。(プロフ) - 続き気になります! 更新頑張ってください! (2017年6月29日 22時) (レス) id: 7d3153bea9 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - このコラボはやばい。神だ!!!これからも楽しみにしてます! (2017年6月23日 0時) (レス) id: 71503843a5 (このIDを非表示/違反報告)
むきりょく - 神コラボですね!!ありがとうございます。これからも更新頑張ってください!! (2017年3月2日 0時) (レス) id: 9ad83d24db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あしね | 作成日時:2017年2月7日 19時