Horse's neck

ー ページ28

久「何の匂いですか？」

久部が鼻に手を当てながら尋ねるとAが目を細める。



『異様に腐ってるな』


東「死後48時間でこんなになる？」


東海林はなるべく、鼻で息をしないようにしていた。




解剖を傍目に2人は議論をする






『中堂さん。死後四十八時間。これ、あってんのか？』



中「なぜそう思う？」



『胃の内容物があんな状態だったにも関わらず、外側が一切腐敗していない。どうしたらそうなる？』


中「腐ったものを食わされた。」


『ボツリヌス菌？出るだろうな…ボツリヌス菌は…。』


解剖をしている三澄が血液を採取する





『三澄』




久「えっ？！」



東「今、ミコトのこと三澄って呼んだ？」



三澄は驚きで声もでない



中堂はそんなAを凝視している





『全部2つずつ採取しろ』




三「なんで？」



『1つは俺が調べる』




東「ちょっとまって！！




私の検査じゃ不満なの？」





『不満？そんなものはない』





さも不思議そうに答えるA




久「じゃあ、なんで……」





『この事件に関しては少しでも早めに結果が欲しい』





そこに入ってくる所長




所「だめですよAさん。」



三「神倉さん！」



久「解剖中に入ってくるなんて珍しいですね」



『所長が言うなら…』



所「もう少しで毛利さんたちが来るそうです。

あとAさん。今から少し来て下さい」




『今すぐ？』




所「今すぐです！！」




笑顔で威圧をかける所長



ため息をついて出て行くA





その後ろ姿を、見ていた久部が解剖衣を脱いだAをみて声を上げる




久「戻ってしまったって…もしかして…」





その声に3人はAをみて、息をのむ







Aはいつもの喪服ではなく、









ジーパンにパーカーの姿だった








三「孤高の医師……」

ー→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す