Horse's neck

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何日か経ち、ほとんどのご遺体が無事ご遺族の元へと届けられた。







三「あー結局、残ったのは9番さんかー…。」



『縛られて殴られて、焼死した男。』



東「えーわかってることは、30代後半から40代前半。AB型。わき腹に完治した内視鏡の手術の痕あり。」



久「各病院から上がってきた患者リストの中に、9番さんに該当する人はなし。」





久「歯のデータベースはあれば一瞬ではじき出せるのに…」






久部の一言で、歯のデータベース化がいかに難しいかという話にまで発展する。







その話を聞いた所長が肩を落としながら言った。







所「実を言うと、UDIラボが当初の予定通り、国立の研究所として全国展開していれば実現するはずでした・・・露と消えましたけど・・・、」



悲しげにそう呟いた所長は､とぼとぼと所長室の方へ向かった｡


天下りと言われる所長だが 実際そんな事はなく､今UDIラボが存在すること自体所長のおかげなのだ｡





疲労の様子を見せる周りとは裏腹に東海林が話題を提供しはじめた｡



東｢ねぇ､火事が起きた雑居ビルの周辺で肝試し流行ってるらしいよ｣



久｢即､オカルト扱いですか｣



三｢幽霊がいたら解剖室は幽霊で大行列だね｣




久｢でも､被災地でもあったって言いますよね｣




『ああ、友達や肉親の霊をみたってやつか』



三｢それはちょっと違うんじゃない?
“もう一度会いたい”って思いが見させるもの｣


三澄の発言で隣で作業していた中堂とAの手が止まった｡






『願ったら会えるならいくらでも願うのにな』


ラボの空気が冷める



中「それより早く仕事しろ」




中堂の言葉で動き出す

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