Horse's neck

ー ページ44

Aのため息がラボに響く







そしてラボをぐるっと見渡す








『警察署に行く理由が見当たらない





ここで話を聞いてやる







所長、一室借ります』




刑事を連れたって歩くA




中「ちょっと待て





聞きたいことがある」



それを中堂が止める






『……………何？』



無言の中堂と睨み合う






先に目をそらしたのはAだった






『刑事さん達、ちょっとそこの部屋で待ってて


5分以内に行く』







刑事達を部屋へ連れて行こうとするが若い刑事が噛みつく






「待て、こっちだって予定がある。





こっちが先だ！」




年配の刑事が止めようとするが止まらない





『俺は捜査に協力をしてやっている。


俺にだって予定があるに、決まってるだろ』





呆れたように相手をするA







「市民には警察に協力する義務がある！！」






Aが今まで浮かべていた薄ら笑いが消えた







『義務……？





8年前のゆき姉ちゃんの犯人を逮捕できなくて





梓も殺されて、犯人を捕まえられない






そんな職務怠慢な警察に誰が協力なんかしたいと思うか？






8年前、協力したさ。




やっと“孤高の医師“という要らない名誉が使えると思った




なのに、16歳の戯れ言と言わんばかりだったじゃねぇか




そんな警察に今さらどうしろというんだ？





協力して何になるって言うんだよ！！！』



　
Aが怒鳴る迫力に若い刑事が怯む




Aは俯いて動かない




年配の刑事が若い刑事を引きずる





「若いのが失礼した。




悪いが待たせて貰う」





全員がAに視線を寄せる

ー→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す