Horse's neck

ー ページ42

所「えっ！！」



あたふたする所長にAがたたみかける




『早く！重要な用事だから！！』




所「誰からかわかるならAさんが出てくださいよ！！」




所長が電話で話してるのをA以外が聞き耳をたてる






所「えっ！！Aはここに居ますけど…。




どちら様で？」




怪訝そうな表情で所長がAを見る







所「Aさん。お客さんが下に来いと言ってるそうですが……」




『は？』




地を這うような声を発するAに驚く




Aは立ち上がり受話器を奪う





『調子にのんじゃねぇぞ




用事があるのはお前らだろ




いい身分だな




さっさとお前らが上がってこい』





一方的に告げ、受話器を叩きつける






三「今のはいったい…」





『すぐにわかる。






で、なんで中堂さんの無罪を主張したか…






───────見てたから』






中「………何を？」







『夕希子さんを見る中堂さんの目を




──心の底から愛しいと思ってる目だったから





────信じられると思ったから





…………らしい』






中「それだけか………？」





『ああ、それだけ』





ラボに沈黙がはしる





『結局綺麗な花にはなれなかった』





皆が怪訝そうな表情を浮かべ、中堂は驚いたような表情でAを見る






『“あったかくて、いい匂いがする場所で、きれいな花になれたら、幸せだと思わない？“





なにが綺麗な花だ…。




スクラップ置き場で冷たくなったじゃないか』






中堂がAの胸ぐらを掴み壁に叩きつける





中「まさかお前！！！」






『梓もゆき姉ちゃんもみんなみんな死んでいく』



Aの呟きが空気を震わせる




『いまだに思う




何故死にたい俺が今日も息をして






梓やゆき姉ちゃんは明日を奪われた……………？






なあ、なんで？』





弱々しい声に中堂が手を離す





久「もしかして、ゆき姉ちゃんって……」





口を開きかけた久部を遮るように2人の男達がラボに入ってくる






「AAはいますか？」

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