Horse's neck

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毛「そんなこと、じゃないと思うけど……」




毛利が頭をかきながらぼやく




毛「糀谷夕希子さんの事件はともかくこれらを、連続殺人事件、と言っていいものかと上は決めかねてます」




所「…これらを連続殺人事件とは認められないって事ですか。」




毛「…はい。」




三「熱中症を人為的に起こす事は可能です。
首を吊っての殺害をじさつに見せかける方法もあります。」




毛「もしそうだとしても死因も場所もバラバラ。この三件と本件を結びつける根拠がないと…」




三「三件の口の中には同じ金魚の模様が残っています！
あのボールが入れられた…」



毛「これは正式な証拠とは認められません。
西武蔵野署としましては本件を単独の殺人事件として捜査をさせてもらいます。
…申し訳ありません。」



毛利と向島が頭を下げる



毛「ただ…」



“ピコン、ピコン“




Aの携帯がなる




『悪い。』



画面に表示されたのは木林の名前



『少し出る。毛利さん資料置いてって』



そのまま出て行くAに声をかける




毛「今回、資料を読んで多分お前が犯人を殺したいくらい恨んでいることが分かった。」




『へえ…』



振り向いたAの表情をみて毛利は口をつぐみ、中堂以外は息をのむ





Aは表情をそぎ落とし、目は何処までも深い虚空を覗いているような目だった





毛「梓さんとお前のいう“ゆき姉ちゃん“


仇をとるにしろくれぐれも道を踏み外すなよ」




『努力するよ』



そのままAは出て行った




毛利は大きなため息を漏らす




毛「あの馬鹿…。大丈夫かよ」





久「あの、毛利さん？」



毛「ああ、はい？」



久「さっき言いかけたのは？」




毛「ああ、もしかしたら糀谷さんの事件だけは、今回の事件と連続殺人事件として捜査できる可能性があります。」

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