都市伝説の中の魔女と出会う【mfmf】 (ページ8)

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NO side

謝りながら涙を溢す彼を、空に浮かぶ箒(ほうき)に乗った誰かが見ていた。

箒に乗った彼女は、白い半透明の液体の入った瓶を揺らして眺める。

「不安だって言いながら、真実を求めてる時点で、ちゃんと信じてるって気が付かなかったのかなぁ。

それにしても……好い人だったからまた話したかったんだけど。ねぇ、ノワール」

そう言って撫でられた黒猫(ノワール)は、肯定するように「にゃあ」と鳴く。

すると、その横で白猫が「にゃあ」と少し怒ったように鳴く。

「分かってるよ、ブランさん。私達の存在が知られたら、目的が果たせなくなっちゃうもんね」

瓶をポケットに仕舞った彼女は、白猫(ブラン)を宥めるように言う。

「ほら、帰ろう。私達のお店(家)へ」

美しく輝く満月を横切るようにして、箒は飛び去った。

森の奥の蔦の絡んだ古い洋館には、魔女が住んでいる。

魔女は、今日も願いを叶える。
全ては、自分たちの願いのため。

「いらっしゃい！貴方が今日のお客さん？」

さぁ、次のお客さんは誰だろうか。

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