Phalaenopsis and the King

たまには姉弟 ページ12

久しぶりに午前中で仕事が終わって寮に戻ってくる
今日始夕方まで帰ってこない
グラビの共有ルームに入って紅茶を入れていると葵がやってきた

葵｢姉さん今日は早いんだね｣

｢えぇ、今日は午前中だけだったの！葵も紅茶飲む？入れるよ｣

葵｢ありがとう｣

葵にソファーで座ってるよう促し、紅茶を2人分入れる
いつも買ってるお店のお気に入りだ

｢はい、葵｣

葵｢ありがとう姉さん｣

紅茶を渡し葵の隣に座る

｢葵とこうやって話のも久しぶりね｣

葵｢そうだね、お互い仕事もあるしね｣

｢そうね、久しぶりの姉弟の語らいね｣

そう言って紅茶に口をつける

葵｢この間のツキラジ聞いたよ、姉さん俺に話た時も恥ずかしがってたよね｣

｢だって、その時は嬉しかったけどやっぱり改めてってなると恥ずかしいし、始もわかってて言ってるとこあるしね｣

葵｢始さん、姉さんと付き合うってなった時俺にちゃんと言ってくれたんだよ『葵の姉と付き合うことになった、ちゃんと大切にするから許してほしい』って｣

｢え？｣

そんなの初耳だ
始が葵に？
でも確かに始らしいと思う

葵｢俺、姉さんの恋人が始さんで良かったって思うんだ｣

｢葵…｣

葵｢始さんは男前で本当に凄い人だし、姉さんと一緒にいるときとか本当に姉さんを大切にしてくれてるんだって思うから｣

私が芸能界に入ってから葵がアイドルになるまで会えない時間の方が多かった
でも、私は葵のことを心配していた
それは葵も一緒だったのだと思うと嬉しく思う

葵｢だから、姉さんと始さんには幸せになって欲しいって思ってるよ｣

そう言って笑った葵
私は嬉しくて、とっくに抜かされてしまって高くなった葵の肩に頭を乗せ、葵の手に自分の手を重ねる

｢ありがとう葵。私葵が弟で本当に良かった｣

葵｢俺も同じだよ｣

そう言って私の頭に自分の頭を乗せてくる葵
なんだか幼い頃に戻ったみたいだななんて思った

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春side

仕事が終わり始と共有ルームに入る

春｢ただいまー…って｣

新｢シーッ｣

始｢ふっ…仲良いな｣

新に促されて見た先には姉弟で仲良くソファーで眠っている姿
ふと始を見ると微笑んで2人を見ていた

春｢起こすのも可愛そうだし、毛布でも持ってこようか｣

始｢そうだな｣

お互いを大事にしているのが周りから見てもわかる姉弟
その2人の微笑ましい姿

2人が起きてしまわないよう始が優しく毛布をかけていた

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