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羽田「単刀直入に言う。
A、合唱部に戻る気はないの？」
「…」
まさか、再入部の誘いがくるとはという気持ちと、
話しかけて来る内容って言ったらそんなもんだよなっていう２つの気持ち。
羽田「Aが抜けて、全然歌がまとまらなくなった。
Aがうちの部にとってどれだけ大切な存在だったのか…いなくなってからしか気がつけなかった。」
羽田は力なく項垂れた。
羽田「今ならまだ間に合う。最後の夏、一緒に出て欲しい。」
思わず笑ってしまった。
笑うつもりなんてなかったんだけど。
「ねぇ、羽田。いつからそんなに楽観的になったの？」
私の返答が恐らく想像もしていなかったものだったのだろう。
羽田は驚いて固まった。
「キン子が私を舞台上に戻すわけないでしょ。
意地でも自分の意見を突き通すあの人が。
私はもう戻らない。たとえ羽田の願いでも。」
羽田「…っ…今まで作り上げてきた伝統…全国逃してもいいっていうの！？」
さっきとは打って変わって、鋭い視線を私に向ける。
本当に守りたいものは、結局そこか。
私は天を仰いで１つ息をした。
確かに少しだけ悔しい。
2年間以上所属した部。
切磋琢磨した同期。お世話になった先輩方、可愛い後輩たち。
きっとみんな悲しむんだろう。
でも、みんなにとって私が全国を目指すための道具である以上、
戻る気などさらさらない。
「ごめんね、羽田。
私今が楽しいの。本当の仲間だと思える人にやっと出会えた気がするから。」
焼きそばパンの袋を握りしめて私は席を立った。
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葉月(プロフ) - Yuriさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです〜！滞りがちですが、頑張ります(^^;; (2018年9月11日 22時) (
レス) id: a6ebf90660 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！更新、頑張って下さい！！ (2018年9月9日 20時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=Utatane
作成日時：2018年6月27日 15時
