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「はぁ！？合唱部を辞める、ですって！？」
職員室に響き渡る大音量かつ不愉快な声。
私はもう嫌というほど聞いたもんだから、耳がだいぶ慣れてる。
それでも今のは結構鼓膜にきた。
今、私の前で絶句してるのは、合唱部顧問のキン子。
本名は金湖って書いてかねこ先生って言うんだけど、
キンキンする声で喋るし、金にがめついらしいから、陰でそう呼ばれてる。
金「しかも、理由が軽音部を作りたいから、ですって！？」
キン子は職員室の真ん中で容赦なく、
まるで黒板を引っ掻いたときの不快な音みたいな声を私に浴びせ続ける。
思わず耳を塞ぎたくなった。
鼓膜が破れそうだ。
金「西野さん！！あなた三年生なのよ？
ちょっとは自覚持ちなさい！
あなたが今年の夏引っ張っていくのよ？」
「…それはわかってる！！けど、ずっと思ってた。
私が歌いたいのはこれじゃない」
右手に持っていた今年の自由曲の譜面を握りしめる。
それと共にグシャ、という真新しい紙が潰れる音。
私の高校の合唱部は、いわゆる強豪校ってやつ。
うちの高校は部活動があまり盛んではない。
けれどうちの合唱部は、そんな中で唯一毎年全国を狙って練習してる部活だった。
そういう強い部活に入るために高校の入学者は集まる。
そんなわけで、部員はコンクールに出れる人数の倍はいるから、毎年熾烈なメンバー争いが起きてる。
だから私が1人いなくなっても、なんら問題はないのだ。
…確かに私は1年生のときからレギュラーメンバーに選抜されてた。
経験に関して言えば、ほかの同期よりかあるだろう。
だけど私の代わりなんていくらでもいる。
「とにかく、私辞めますから。」
そう言い捨てて強引に職員室を出た。
廊下に出てからもキン子が私を呼ぶ声は聞こえてた。
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葉月(プロフ) - Yuriさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです〜！滞りがちですが、頑張ります(^^;; (2018年9月11日 22時) (
レス) id: a6ebf90660 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！更新、頑張って下さい！！ (2018年9月9日 20時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=Utatane
作成日時：2018年6月27日 15時
