とらぬワンコの皮算用【乾青宗】

ななっ！ ページ7

「これがいいんじゃないか？肌白いAにはそっちの方が会うだろ。」

ベビーピンクのチュールスカートに黒いフリルのブラウス。白のファー付きポンチョコート。金色のリングイヤリング、黒のショルダーバック、薄ピンクのファーのマフラー。・・・いや、これ可愛すぎないか？？？柚葉もしかして天才？？

「か、可愛すぎるよ・・・・！！凄い！！！！柚葉才能あるよ！！・・・これでいぬぴーくんもイチコロだぁ・・・。」

試着したままの格好で鏡の前でくるりと一回転する。どっからどう見ても完璧だ。可愛すぎる・・・！！

「ありがとな。・・・で、髪の毛は・・・コテ家にあるか？」

こて・・・？？こてとは？？

「はぁ・・・当日呼べよ、髪セットしてやる。」

お、おぉ・・・！！柚葉は服選びだけじゃなくて髪のセットも出来ちゃうのか！！美容系の目指した方が良いのでは・・・？

「ありがとっ！！柚葉大好き！！！」

「それを愛しの乾に言えると良いな。」

嬉しそうに笑った後、彼女は呆れた様に言った。

「いやそれとこれは別だと思う。」

「はぁ・・・。・・・Aは、可愛いもんな。」

「え、えっと・・・何、いきなり・・・？えへへ、私あんまり可愛いって言われなれてなくて・・・あの、恥ずかしいというか・・・。」

ふっと、彼女は優しく笑った。

「そのままのAでいなよ。」

そのまま・・・、いや私は私なんだけど・・・。訳も分からず首を傾げる私に目の前の彼女は楽しそうに笑っていた。

「・・・私さ、太寿に暴力受けてんのよね。」

え・・・、マジか・・・。あの人碌な人間じゃないと思ってたけど実の妹に手を出すまでろくでなし極めていたとは・・・。流石にドン引きだわ。

「太寿に相手してほしい奴が要るって言われた時は、どんなクソ野郎かと思ったよ。そしたら、こんなちんちくりんが出てきてさ・・・、」

あれ、待って。ちんちくりんって私！？！？え、私そんな風に思われてたの・・・！？

「素直に純粋無垢で可愛いなって思ったよ。改めて、これからよろしくな、A。」

っ！！！

「私も柚葉の私より年下の癖に高すぎる姉御肌気質なところが大好き！！よろしくね、柚葉！！」

ニカッと太陽を連想させる明るい笑顔を見せてくれた彼女に私もつられて笑う。えへへ、

「あ、そうだ。買い物も終わったしクレープ食べたい！！」

「・・・財布大丈夫なの？」

「まー、はじめに借りるし。」

柚葉が呆れた様に溜め息を付いて笑った。

作者→←ろくっ！

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