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紙飛行機が二十五機 ページ28

テーブルに置かれたオムライスは冷え切っていた。



「場地君が・・・どうして、ねぇ、どうして言ってくれなかったの!抗争だなんて聞いてない、私なんも聞いてないのに!!そんなの、あんまりだよ・・・。」

「巻き込みたくなかった。」

「・・・分かってるもん、」

わたしだって、分かってる。私一人が何かして場地君が助かる訳じゃなかったくらい分かっている。でも、でもさぁ・・・、

「友達じゃんか、私たち。」

今こうしてただただ君を責めてしまう私を許してくれ、佐野君よ。

「A、、、」

「場地君ね、東卍が好きだって言ってた。私はそんな場地君が素敵だな、って思ったの。そんな場地君の隙がずっと続けばいいなって思ったの。だから、場地君が脱退した時、本当に悲しかったよ。どうしてって思った。だから、だから・・・うっ、」

「ごめん、場地を助けられなくてごめん。」

「あ"や"ま"ん"な"い"で"よ"・・・、分かってる、佐野君が大して強くもない私を巻き込みたくない気持ちも佐野君が一番悲しんでるって事も、分かってるんだよ、私。ごめんなさいぃ・・・・うぅ・・・、」

人間は物事を知れば知る泣くって事を忘れる。少しずつ子供に大人っていう皮を被せていくんだ。でも本質は子供だから、どうしても耐えきれないものだってある。

「・・・佐野君は、居なくなっちゃダメだよ。君が居なくなったら、たくさんの人が悲しんじゃうから。」

私がポツリと吐いた言葉に佐野君はこくりと頷いた。これは、呪いだった。そうやって君を縛っていく呪いだ。仕方ないじゃんか。


「うぅ・・・やっぱり悲しいよぉ・・・悔しいぃ・・・、」
また瞳から水を溢れ出す私を佐野君は何とも言えない気持ちで見つめていた。


 

「Aもさ、居なくなんなよ。」

「・・・佐野君次第だもん・・・、」

こんなズルい女をゆるしてくれ、佐野くんよ。



____
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うたた(プロフ) - reiaさん» コメントありがとうござます!こんな作品でよければ是非・・・!! (2022年5月1日 15時) (レス) id: 1e5270c5a5 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 私、占いツクールで布教活動をしているのですが、この作品、とても好きなので布教してもよろしいでしょうか? (2022年5月1日 14時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
うたた(プロフ) - おにぎりさん» いつもコメントありがとうございます!!更新頑張らせていただきます!!!!! (2021年8月6日 17時) (レス) id: 48ef87b078 (このIDを非表示/違反報告)
うたた(プロフ) - もさん» ツボってくれて嬉しいです!! (2021年8月6日 17時) (レス) id: 48ef87b078 (このIDを非表示/違反報告)
うたた(プロフ) - ミルクレープさん» ありがとうございます!!!更新頑張らせていただきます!! (2021年8月6日 17時) (レス) id: 48ef87b078 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うたた | 作者ホームページ:ないぜ★  
作成日時:2021年8月5日 20時

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