【HIGH&LOW】KIZUNA２ (ページ10)

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更にメンバーの一員であるダンとテッツも戸惑っていて、ヤマトの隣に立っている男をまじまじと見つめた。そしてその子が着ている制服を観察していたテッツが、思い当たった事があるのかそれを指差しながらまずい展開になる一言を漏らした

テッツ「あれ、こいつ鬼邪高じゃね？」

貴「え？」

ダン「はぁ？！お前何ゆーとんねん！！
そんなヤツーーー」

ナオミ「ちょっと！！静かに。」

鬼邪高と聞いて声を荒げるダンに、ナオミも声を張って注意を促すと渋々ながら引き下がった。そした私はテッツの言葉で、漸く彼への既視感を思い出したのだ

貴「……ねぇあんた、まさかあの時追いかけられてた生徒さん？」

チハル「あ、はい。そうです」

貴「そう……何だか厄介な事になってるのね」

ダン「は？なんやAも知り合いなんか？」

ヤマト「いいや、Aは偶々トラブルに居合わせた事があるだけなんだ」

コブラ「あ゛？」

一応確認の為に聴くと、案の定ヤマトが鬼邪高生と揉めた時に助けた生徒さんだった。だから何となく事情が分かってしまって頭を抱える私に、ダンの怪しむ声がしたけどヤマトが庇ってくれた

すると一層苛立ったコブラがソファーに座り直し、何も言わずテッツを見ると、意味を察知した彼が立ち上がる

テッツ「お前ちょっと外出ろ」

冷たい態度で有無を言わさず、体を押されたチハルはテッツに外へ連れ出されて行った。多分彼は彼で別に事情を聞くはずだ

コブラ「おいヤマト、どうなってんだよ」

鋭くヤマトを睨みつけるコブラは、静かに怒りを抑えた声で彼を問い詰める

どうやら事件から暫く経った頃、ヤマトの実家で職場でもあるASAHINA GALAGEに彼が来たらしい。偶然刺繍の入った落とし物をしてしまい、それを頼りに山王エリアに来たのだと

そんな鬼邪高生ーーーチハルは最近鬼邪高に転入してきて、喧嘩で強さを競う彼らのルールを知らずに横槍を入れてしまった。その時、殴ってしまった男が追っ手の中にいたNO.2の関だった

それ以来、チハルは標的にされてヤマトが助けてからは益々過激になったらしい

因みに、鬼邪高校というのは、全国の札付きの悪が集まる巣窟

鬼邪高校の看板があれば、その筋からのスカウトが絶えない

より良いスカウトを得るために、彼らは留年を繰り返し､５度の留年は当たり前

だから20歳超えの生徒ばかりで平均年齢は23歳

全国の番長が入り込む、最も凶悪な高校だ