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貴「追われて大変だったね、ヤマトは強いからもう大丈夫」
チハル「あ、ありがとうございます」
貴「……ん?えっ、これって、」
私は偶然目に入った制服の襟に付いた校章を見て、一気に血の気が引くのを感じた
……これはまずい!!
貴「す、ストップ!ヤマトそいつらに手ぇ出しちゃ駄目!」
ヤマト「……あ?」
声を張り上げた時には手遅れだったらしい。既に全員を倒してしまったヤマトを見、私が「制服の校章!」と確認させる為に叫んだ。すると何も分かっていなかったヤマトが男を見下ろし、着ている制服と校章に気づいた瞬間同じく顔色を変えた
ヤマト「なぁおい、コイツら鬼邪高...?」
「おう」
ヤマト「やっべぇーコブラに怒られる!!ずらかるぞA!」
貴「えっ、ちょっ?!」
慌てたヤマトは私が持っていた買い物袋と、私の腕を素早く掴んで後ろを振り向きながら逃げ出した
結局傷の手当てもしてあげられず終いで、とりあえず「ちゃんと手当てしてねぇ!!」とだけ叫ばせてもらった
古屋「おい!!」
チハル「……僕やってません!!」
呆然と残されていた男子生徒ーーーチハルもハッとなってその場を逃げ出したのだった
あれからずっと走り続けてIITOKANが見えてきた。二人で全速力で逃げ切ることが出来、ヤマトも漸く腕を離して荷物を返してくれた。さすがにずっと走っていたから二人とも息が荒れていて、足も疲れていた私が中腰になっているとヤマトに肩を掴まれた
ヤマト「と、とりあえずA。今回の件は様子見だ」
貴「は?!様子見って……大丈夫なの?!」
ヤマト「何とかなんだろ!お前は何も見ちゃいねぇし、関係ねぇ!いいな?」
貴「関係ないって……そんなわけじゃん!あの時、私がもっと早くに気づいていたら!」
ヤマト「違ぇよ、これは俺の失態だ」
とにかく自身が悪かったって言い張るヤマトは、この一件を誰にも言わず私達だけの秘密にしようと言った。このまま事件が有耶無耶になれば良し、ならなかったらその時に事情をコブラ達へ話す、と
ヤマト「それに今回、向こうがこっちの
貴「っ、だったら良いけど……」
内心私は不安でしょうがなかったけど、ヤマトが自信を持って大丈夫だって断言するなら信じるしかない。そう思って私は、ナオミが待ってるITOKANに戻って行った
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作者名:ウシマ♪o(`ω´ )o | 作成日時:2022年1月30日 21時