〜White Rascals〜 ページ19
とある晩
仕事終わりにいつも貰っている賄いは食べず、私はSWORD内でも比較的都会なWhiteRascalsの領内にひっそりやってきた
この日の晩御飯はとある2人と焼肉を食べる予定になっていて、駐車場で先に止まってるバイク2台の隣に愛車を停めて店内に入った
すると入り口付近で待機している店員さんがいて、「遠坂で予約しました」と声をかけたら個室に案内してくれた。「ここです」と言われて中に入ると、既に来ていた2人ーーー雨宮兄弟の次男三男がメニューを見ながら何か話していた
貴「2人ともお待たせ、久しぶり」
雅貴「おー、来た来た!俺らもさっき着いたとこ!」
広斗「先月ぶり」
私を見るなり立ち上がったお兄ぃが、再会のハグをしにきて数秒かけて抱きしめあった
何気に偶然広斗と再会できたあの時以来、私は広斗と会う事もなく兄の雅貴とも一度も会えずに過ごしていた。だけどこの日の晩は2人の運び屋の仕事が無く、私もITOKANの仕事を終える時間だから会う約束をしたのだ
彼らは片側の奥から広斗と雅貴の順で座ってて、私が向かいの席に座ったらメニューを見せてもらった。どうやら来るまで注文を待っててくれたみたいで、一先ず何か頼もうと呼んだ店員さんへ色々お肉をオーダーした。その後、店員さんが帰って行ったのを確認してから声を潜めて話し出す
貴「……で、半年ぐらい経ったけど義兄さんの手がかかり見つかった?」
雅貴「いいや、兄貴っぽい噂は聞くんだけどな。行っても駄目だ、全然違う野郎だったりガセネタだったり」
広斗「そんなんばっかりだ」
貴「そっか……。一応私もSWORD地区で噂を集めてるけど、こっちもなかなか見つかってない」
雅貴「やっぱりそうだよな……」
私も2人が義兄さんを探しに行った後、SWORD地区のギャング達の噂を走り屋としてそれとなく聞いて回っていたのだ。だけど義兄さんと思しき噂の収穫は殆どない
頭を抱えて唸ったお兄ぃがテーブルに突っ伏した。広斗も苛立たしげに溜息を吐いて、あまりに手がかりが少なすぎるからお先真っ暗な状態だ
……一体何処にいるのよ、尊龍義兄さんーーー
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作者名:ウシマ♪o(`ω´ )o | 作成日時:2022年1月30日 21時