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ITOKANの営業が終わって、暗くなった道をバイクで走っていたら目の前にチハルの背中が見えた。だからバイクから降ると小走りなって、手押ししながら近づくいて声をかけた
貴「お疲れチハル」
チハル「あ!えっと、Aさん……?」
貴「あってるよ。遠坂A、よろしくね」
隣を歩いて、なるべく明るい口調で声をかけてみたんでだけど、チハルの調子はやっぱり暗くて落ち込んでる
貴「……そういえば歳いくつ?敬語だから勝手に年下かなって思っててさ」
チハル「今が二十歳っス」
貴「へぇ〜、だったら私やテッツと同い年じゃん。タメ口でいいし、名前も呼び捨て大丈夫だよ」
チハル「あ、ありがとう……」
そのまま何か話しながら歩いていたら、あっという間に別れ道になった。チハルが通るっていう道には街灯が無いから暗いけど、自販機の灯りでそこだけ微妙に明るかった
貴「なんか飲み物買っとこ」
道路の端にバイクを停めて、チハルと自販機まで一緒に歩いていると、誰かが後ろの方から近づく気配がした。なので二人で振り返ってみたら、鬼邪高生が数人私達を狙っていた
慌てたチハルが私の腕を掴んで逃げようとしたけど、あっさり囲まれてしまって逃げ場を失った
鬼邪高生「チハル、やっと見つけたぜ」
鬼邪高生「綺麗な女連れてんじゃん」
チハルが私を背中に庇ってくれるけど、後ろに立ってた男が私の反対の腕を掴んできた
貴「ちょっと離して!触らないでよ!」
鬼邪高生「いいだろ、ちょっとくらい遊ぼうぜ」
私の力じゃ掴んでくる腕を剥がせない。チハルはいつの間にか、別の生徒達に囲まれている。さすがにやばい、と思っていたら私を掴んでる腕が、別の誰かによってあっさり離れてそいつが殴り倒された
貴「……え?」
「あー、俺」
鬼邪高生を倒したその人を見上げた私は驚いた。黒ずくめのライダースを着て、耳には十字架のピアス、電話中の携帯を片手に見下ろしてくる彼は……
鬼邪高生「おい!」
彼はポカンと口を開けて呆ける私の肩を抱き、凄んでくる鬼邪高生を無視して堂々と自販機の前まで行った
「今?山王、俺」
鬼邪高「おい!!」
お金を入れてボタンを押した後、私を自販機との間に挟んでいた彼が、鬼邪高生に肩を掴まれた後我慢できずに振り返って襟を掴んで突き飛ばした
「ちょっと待って」
通話状態のまま相手を次々倒していく
「また電話するわ」
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作者名:ウシマ♪o(`ω´ )o | 作成日時:2022年1月30日 21時