【実/況/者・牛/沢】俺の初恋相手が同性しか目にない件について。

7人目も異性 ページ8

『…やっべー、ノート忘れちまったし…！！』


レトさんはテニス部。キヨはサッカー部。フジは美術部。他にもまぁ部活動が青春の時間を与えている放課後。


俺は剣道部だが…今日の剣道部は休み。
そんなわけで帰ろうとしていたのだが、明日提出のノートを教室に忘れてしまっていたようで、取りに行くことにした。


…飯田さんは無所属だったよなぁ。


一緒に帰る日とかがくるのだろうか。
…一生ない気がする。



「…あれ、牛沢君。部活動は？」



ガラガラ、と音を立てて教室のドアを開けるとそこには愛しの飯田さんがいた。
…帰ってなかったのか！？！？



『…え、あ、あぁ…の、ノートを忘れちゃって。明日提出じゃん？…と、りに来たんだけど…飯田さん、は？』



「…随分と挙動不審だね。…私の天使であるゾノちゃんがサッカー部のマネージャーなの。一緒に帰る約束してるんだけど、外だと暑いだろうから教室で待っててって。
…ゾノちゃんは優しいから。」



気まずさと、緊張と、嬉しさと、色々なものが混ざって、かなりキョドッてしまったのに、飯田さんはしっかりと答えてくれる。



『…わ、わりぃ。まだ残ってたことにびっくりしちゃって。…そっか、俺さ、剣道部なんだけど今日休みで。良ければ花園さんが来るまで話し相手にでもなろうか？』



よく言ったぞ、俺…！！
頑張ったぞ、俺…！！
これで断られたら泣きながら帰ろうと思う。
次の日とわぽんあたりに慰めてもらおう。


「…うん、じゃあお願いしようかな。話し相手。」



優しい笑みを浮かべる君に心を撃ち抜かれたのは言うまでもない。

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