【実/況/者・牛/沢】俺の初恋相手が同性しか目にない件について。

2人目は同性 ページ3

昼休み、よく体育館裏に呼ばれる。
そこで行われるものは告白。


いつものパターンでもうわかりきっている私は、いつものように、優しく断る。
理由を言わないと納得してくれない人が多いから、しっかり理由を口に出す。



私は女の子が大好きだ。



リアルなギャーギャー騒ぐような女子には興味がない。
二次元の女の子、又は二次元の女の子のように可愛い女の子。


だから、男には興味がなくて、将来は女の子と同性結婚の認められている国で式を…と夢が膨らむ。



『…はぁ、クラスに戻ってゾノちゃんに癒してもらおう…』


ゾノちゃんとは、この学校に唯一いると思っている可愛い二次元のような女の子である。
ゾノちゃんは私のアタックにいつも優しい笑みを浮かべてくれる。


本当に良い子。


そんな時、ガタ、と音がした。
…何の音？？



「…あ、いや、あの、覗き見しようとかそんなんじゃなくて…！！！」



体育館裏で、メガネの男の子と出会った。
確か…同じクラスの牛沢…君、だったはず。



『……私は別に大丈夫だけど、さっきの彼のことは誰にも言わないであげてね。茶化されたりしたらかわいそうでしょ？』



「…そ、それはもちろん！！……あの、さ、聞くつもりはなかったんだけど…さっき、女の子にしか興味ないとか…」


少し言いにくそうに話す彼を見て不思議に思う。
遠慮するような内容ではないだろうに。



『言葉のままだよ。男には興味がないの。可愛い女の子が好きなの。』


それがどうかした？と、彼も私を変な人だと思うのだろうと考えながらも笑顔で会話を続ける。



「…いや、ちょっとびっくりしたけど……それでも、俺、飯田さんのこと好きです！！
今すぐ付き合えっていうのは無理があると思ってる…から、その、頭の中に入れといて！！」



顔を真っ赤にして、逃げるように校舎を走っていた。
彼の姿が消えるまでずっと彼の背中を見つめていたが、すぐに興味がなくなった。

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