第58話 ページ9
涼野side
夢主と母親が再び食事を食べ始めた頃…
私たちは食事を終えて、ヒロトの話を聞いていた。
基「皆、次の試合の会場と日程が決まったよ。今から配るから、しっかり目を通しておいてね。」
全員分のプリントが配られ、試合会場と日程を確認する。
試合会場はここからバスで一時間ほど離れた場所で、私たちの試合開始は次の土曜日の10:00と書かれている。
(彼女……水無瀬さんに試合を観に来ないかと誘ってしまったが、会場が遠いな。一度確認した方が良さそうだ…。連絡先…はないのか。……。)
学校で話しかけてもいいが、私の面倒なファンがどこで見ているか分からない。下手に彼女に嫌なことをされたら困る、そう思った私は彼女と1番親しいリュウジに話しかける。
涼「リュウジ、水無瀬さんの連絡先は知っているか？」
緑「水無瀬さん？勿論持ってるよ。なんで？」
涼「次の試合に彼女を誘ったんだが、会場がここから遠いから彼女にもう一度確認を取りたいんだ。」
緑「なるほど、そういうことか。いいよ、特別に教えてあげる！
(明日学校で伝えてもいいのに、自分が行ったら水無瀬さんにファンの子が何かしないか心配で俺にこうやって聞いてるんだろうな〜。風介ったら、やっさし〜。)」
涼「……ニヤニヤしてどうした、リュウジ。」
緑「いーやなんでもない！そういえばさ、俺試合の日に水無瀬さんから手作りお菓子貰えることになってるんだよね〜いいでしょ！水無瀬さんの作ったお菓子、めっちゃ美味いんだよな〜風介もお願いしてみたら？風介、甘いもの好きだろ？」
美味いことを知っているということは、リュウジは今日より前、私の知らない時に水無瀬さんの手作りお菓子を既に食べているということか…。
何故だろうか。
ものすごく心がモヤモヤする。嫌な感覚だ。
涼「…ああ、そうだな。頼んでみる。貴重な情報感謝する。」
緑「どういたしまして〜。」
リュウジが私の元を離れたのと同時に、水無瀬さんの連絡先をじっと眺める。
(このアイコン…ケーキか？彼女も甘いものが好きなんだろうか…)
そんなことを考えながら、私は彼女へ初めてメッセージを打った。
(こんばんは、水無瀬さんの連絡先で合っているだろうか？)
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作者名：Haruhi | 作成日時：2024年3月15日 13時
