【️イナズマイレブン】大好きな君に、人生最大の我儘を。I (ページ20)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:176 hit

第69話ページ20

緑「サッカー部メンバーとは全員違うクラスで、確か2組の子なんだけど、あの子の周りはファンクラブの中でも中心的な多いから…。晴矢がその子達を毛嫌いしてるんだよね。桜庭さんは聞いたことないけど、周りの子が他のファンの子に嫌がらせしてるっていうのはよく聞くよ。」
『南雲くん、練習邪魔する人は嫌いって言ってたもんね…。』

悪い子には、見えなかったけどな。

それからというもの、桜庭さんはとにかく私の学園生活で表れるようになった。
私の姿を見つけては手を振って挨拶する、明るくて可愛いけどちょっと怖い人。

それが第一印象だった。

(……で)

桜「ねえねえ、紗季ちゃん。ここってどうやって解いたらいいの〜？」

((どうしてこうなった！？！？))

放課後、いつものように私は自習のため教室に残って1人で勉強していた。
グラウンドでは運動部が練習する声が聞こえる。

ふとペンを止めて、グラウンドを見ると私の大好きな人の姿が目に映る。
『(涼野くん、今日もかっこいいなあ…。)』

試合を見に行ったあの日以来、私は涼野くんと話をしていない。仲良くなったのに、教室に覗きにいくのも変だろうと思い涼野くんたちの教室へ行くことも無くなってしまった。

『(涼野くんって、どういう人が好きなのかなあ。)』

試合を見に行った日の髪型をかわいいと褒めてはもらえたけど、どういう人が好きなのかはなにも分かっていない。

『分からない…』

机に突っ伏してため息をつく。

いつの間にか桜庭さんが私の視界にいて、私は音を立てて立ち上がった。
『な、桜庭さん…！？』
「加恋でいいって言ってるじゃん！紗季ちゃんったら〜。」
桜庭さんはニコニコと笑いながら私の前の席に座って私と向かい合わせになる。
『えっと…加恋ちゃん。部活は？』
桜庭「今日はないよ。放課後教室回ってたら紗季ちゃんいるの見かけて、勉強教えてほしくてきちゃった！」
『い、いいけど…。』
この子、明るいし可愛いし愛嬌もある子だけど…

どこか掴みづらいというか、別の一面を持ってそうに見えるな…。
気のせいかな？

桜「ねえねえ、紗季ちゃん。ここはどうやって解いたらいいの〜？」
『ああ、ここはね…』
桜「！分かった〜！！こう？」
『すごい！吸収早いんだね。』
桜「ありがと！紗季ちゃんの教え方が上手だからだよ！魔法みたい。」
『あはは、南雲くんと同じこと言って…「南雲くん？」』

さようなら、私の平和な学園生活…。