【️イナズマイレブン】大好きな君に、人生最大の我儘を。I (ページ15)

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第64話ページ15

涼野side

第一試合を無事に勝利で終え、荷物を片付けて私たちは与えられた部屋へ戻ろうと歩いていた。
(さて、水無瀬さんに場所の連絡をしなくては……観客席にいるはずだがどこに…)

ぐるりと観客席を見渡すと、ぱっと目に留まった女性がいた。
「……水無瀬さん、か？」

彼女はいつもストレートで下ろしている髪を緩く巻いてハーフアップにしていた。
唇も、心なしかいつもより明るい気がする。

とてもかわいいと、そう思った。
同時に、私が1番にあの水無瀬さんに会いたいとも思った。

1番にあの彼女に会うのは、リュウジでも晴矢でもヒロトでもなく、私でありたい。

(今なら私が観客席に行っても騒ぐ連中はいない。よし。)
面倒なファンがいないことを確認すると、私は水無瀬さんに連絡を取ろうと携帯を開いてメッセージを送る。
(水無瀬さん、今どこにいる？)
(スタジアムの観客席にいるよ。丁度お昼ご飯を食べようと思ってたところ。)

今、スタジアムの観客席にいるのはあの髪を巻いた女性しかいない。
やはり、あれは水無瀬さんで間違いないみたいだ。

私は連絡に既読をつけ、彼女の元へ走り出した。

水無瀬さんに、早く会いたい。ただその一心で。