最強さん家の兎ちゃん【五条悟】 (ページ36)

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Aside

「絶対に領域展開はするなよ。」

何度も私に言い聞かせる悟の顔が思い浮かぶ。

仏頂面でやりたい放題のむかつく悟だけど、私を思って言っているのだと言うことは、伝わってきていた。

『どちらかが死ねば両方死ぬ。やられる前にやらなきゃ。』

「おまえはまたすてるのか。」

「いらないから、堕すのか。」

悟は苦しそうな、でも楽しそうな顔をして、攻撃をし続けてきている。

ザシュ、ザシュッと交わし切れない攻撃が体に傷をつけていく。

「そんな目でおれをみるな。」

「その瞳、気持ち悪い。」

プツンと何かが切れた気がした。

それは自分の瞳を見て言われたからか。

沸々と湧き上がる気持ち。

これは怒りだ。

でもそれだけじゃない、命の色と言ってくれた悟との思い出を穢されたことに対する怒りだ。

『悟は…悟はそんなこと言わない。』

「愛してくれないおまえはいらない。こっち来るな！」

『私の瞳を見てそんなことは絶対に言わない！！！』

あんなだけど小さい頃から一緒に育ってきたから確信している。

悟は私の見た目を絶対に揶揄ったりしない。

ここからは私の番。

胸の前で右手の人差し指を伸ばし左手で握る。