34匹 ページ35
Aside
『なんで…』
紫雲で攻撃した、だが紫雲の刃は悟に届くことはなかった。
そう、届かない。
まるで透明な何かに守られているような。
《ニヤァ》
悟の口角が上がる、そして見たことのある掌印を結んだ。
ゾワゾワと生物的な危険だと言う警鐘が頭の中で鳴る。
『やばいっ！』
「術式反転 赫」
ドガァ！！！
赤い光が煌めき、小さな光を紫雲で防ぐも吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
『かはっ』
凄まじい威力、頭から生暖かいモノが伝う感じがする。
【あー、確実に肋骨は何本か逝ったかな。頭ガンガンする。】
肺がヒューヒューと嫌な音を立てている、口の中も鉄の味がして気持ち悪い。
しかし悟の攻撃は止まらない。
今度は蒼が飛んでくる。
『もうめちゃくちゃね。』
ボロボロだが、攻撃を交わしつつ頭の中を整理する。
そして、先に派遣された部隊の《何もできない》と言う言葉を思い出した。
届かない攻撃、使える術式とあの見た目。
【あいつの術式は
だから対策を練らなければ、信頼できる仲間が全員敵って訳だ。
あいつは悟の無下限呪術を完全にコピーしている。
どこまで術式をコピーできるのだろうか。
【このまま領域展開されて無量空処くらったら流石に死ぬ】
『先手必勝かなあ。』
色々な考えが交錯するが、あの無限がある限り私の刃は届かない。
『相変わらずめんどくさい術式しやがって！』
悟の攻撃を交わしつつ、何度か反撃したものの結果は変わらなかった。
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作者名：夜兎 | 作成日時：2022年11月7日 23時
