33匹 ページ34
Aside
悟を見て思考が停止する。
「おまえ、まま？」
悟の口から出たのはとんでもない言葉だった。
『何言ってんの！あんたみたいな子供はいません！』
白い髪に、澄み切った青い瞳。見慣れた高専の制服。
その見た目でママと言われると流石に引いた、しかも自分に似ている見た目なのでそれが拍車をかける。
同期に言っていいことと悪いことがあると思う。
これは確実に後者だ。
傑と硝子にその容姿で兄妹と揶揄われるくらいだ、ママなんて言われたのをもしこの場で聞かれていたのなら、絶対に後世に語り継がれる。もはや蒸発して消えたい。
それとこんなことを言ってくるのだ、本物の悟ではなさそう。
呪力量はざっと見積もって私の2倍程度か。
「じゃあしね。」
悟の口から最悪の言葉が紡がれるとともに、足元から何かが這ってきた。
【これはっ！】
真っ赤な赤子。
アウワァ…マァ…アガぁ…
それは呻き声を上げながら、足元を埋め尽くしていく。
その小さな手で足を掴んできて動きにくい。
その手はありえないほど力が強い。
『チッ』
少々心は痛むが、紫雲で切り倒していく。
ザシュッと音を立ててゆらめき消えていくが、しかし数が減らない。
『狙うならやっぱり本体よね』
�犲舁諭�彼奴は我らでは手に負えんぞ��
『知ってる』
紫雲で切り倒していきながら、悟の元へ進む、幸いあいつはまだ眺めるだけで何もしてこない。
『やってみっかあっ！』
モノは試しだ、紫雲で攻撃してみることにした。
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作者名：夜兎 | 作成日時：2022年11月7日 23時
