24匹 ページ25
五条side ※Aちゃん酷い扱いごめんね!
『父様、今なんと?』
目の前に座る、現当主に問う。
「コレが許嫁で、お前の胎だと言うことだ。
難しく考えるな。」
『だから、その子がなんだって言うんだよ!』
五条家の嫡男として優秀な後継を残す。
それは、御三家であれば当たり前のことだ。
しかし、父の言葉にこの子をただの子供を産む道具にすぎないと思っていることにただただムカついた。
「今はわからなくともいずれ理解できる。幻中家はこの娘と術式を隠していた。父なき今、この娘は保護してくれる場所を探していた。そして我々はお前の六眼と無下限呪術を継がせる子を産めるに相応しい者を探していた。それにこの娘の術式は未知の部分は多いが利用できる。ただ利害の一致にすぎない。」
吐き気がする。
【五条家の血筋は絶やしてはならない】
五条家は5歳の俺にそれなりの知識や女の扱いの教育をもう受けさせている。
醜い大人たちは、俺やこの子にまで優秀な後継を望む。この家に生まれていなければ、普通に暮らして幸せな家族と一緒にこんな気持ちにもならずに生活できていたかもしれないのに。
子供を道具のように扱い、あまつさえその人生までをもコントロールする。
だったら従わなければいけない理由はなんだ?
血筋か?親だから?育ててもらったから?
『そんなの関係ない…」
「だったとしてもこれは決定事項だ。2日後にふたりである儀式を行なってもらう。この娘とお前で縛りを設ける儀式だ。」
『もういい』
ばっと立ち上がると、座っていたAの手を引く。
『こんなところ、いなくていい。』
自分よりひとまわり小さい手をギュッと握ると、襖を開け放ちふたりで部屋を後にした。
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作者名:夜兎 | 作成日時:2022年11月7日 23時