2匹 ページ3
Aside
呪術高専に入学して約1ヶ月。
春の陽気に温かく穏やかな風が教室に吹き込む。
“あー、なんだか眠くなってきたなぁ”と思いつつ、眠るまいと起きていたのに、夜蛾先生の低い落ち着いた声が瞼に催眠術をかけてくる。
“あ、無理。寝よ。”と決心し机に突っ伏したその時、
「んふぇ!?」
間抜けな声を出し、隣にいる大きくて白い頭をした悟が、ガタッという音を出しつつ起きた。
悟は早々に夜蛾先生の催眠術に負けてたらしい。
「悟、お前は随分と余裕があるみたいだな」
「これは不可抗力ってやつだし」
ただでさえ強面の夜蛾先生の圧に歯向かう悟。
横に座る、硝子と夏油の肩が小刻みに揺れている。きっと笑うの堪えてる。
一方私はというと、夜蛾先生めっちゃ怒ってるじゃね。悟も不可抗力って言い訳にならなくない?確かに私も寝そうになってたけども。てか、私も怒られるくない?突っ伏してたしと、内心アセアセしながらそれを眺めていた。
そして、夜蛾先生と目があった。
“終わったな主様”、“これは効くぞー”と掌から小さく聞こえる。
「悟、A。後で話があるから来い」
やっぱり見られてた。
もう少しまじめに勉強しよう。と思うくらいには、授業の後の夜蛾先生の説教とゲンコツは効いた。
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作者名:夜兎 | 作成日時:2022年11月7日 23時