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15匹 ページ16

五条side


(変だな)


廃病院を眺めながら考える。


呪霊は低級のものであればそこそこ見かけるものだ。


しかも今回の呪霊は被害の程度からして、特級レベルに準ずる物に違いない。


そんな大きな呪力の塊があるのに呪霊が寄らないのはおかしい。


「どうしたの悟、なんかあった?」


隣でキョロキョロしながら入り口を探すAに呼ばれる。


雑魚が少ないと言えば考えすぎと言われた。


(やはり、何かあるのか。ここは。)


俺は人より色んな意味で目がいい。


地下から大きな呪力の気配は感じるが地上部分は何も感じない。


そもそも俺とA以外の命の気配がない。


「おっ、入れそうなところはっけーん」


ちょうど建物の裏手に通用口のようなものがあった。


鍵が壊れて中に入れそうだ。


色々気になるが入るかとドアを開けると、さっきまでヘラヘラしてたAが、


『さ、さとる。さとる。Aちゃんから離れないでね。」


何故か異様にプルプルしながら俺の服の裾を掴んでいた。



 

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作者名:夜兎 | 作成日時:2022年11月7日 23時

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