【 HQ !! 】※ だから ､ 女だってば 。【 黒尾鉄朗 】

女ですけど 05 ページ5

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「 手とか繋ぐなんて大胆だね黒瀬A 」

「 そういう気持ち悪い事言うのやめてもらえません ? 」



もうここまで来たら大丈夫だろうと手を離す 。
手を繋ぐというより手を掴むの方が正しい気もするが ､ 訂正するのも面倒なので聞かなかったことにした 。

十分相手にしたし今日の所は解散だろうと一人で中庭のほうに向かう 。



「 どこ行くんだい ? 」

「 お昼ご飯食べに親友が待ってる中庭に向かってるところです 」

「 お ､ じゃあ俺も一緒に食べよっと .. ははっ ､ そんな嫌な顔しないでよ 〜 」



『 綺麗なお顔が台無しだぞ 〜 』と 僕の眉間に人差し指でぐりぐりと触る 。
触るな ､ と言わんばかりに軽く叩き落とす 。



「 一緒に食べるって ､ そもそもお弁当持ってきてないですよね ? 」

「 手を引かれて教室を出る前にすっと手に持ってたよ ? どうせ教室じゃ一緒に食べてくれないと思ったからね 」

「 僕と一緒に食べるって ､ 友達いないんですか ? 」

「 なんでそうなるの 」



クスクスと小馬鹿にしたように笑う黒尾先輩 。
本当によく笑うなぁと ジッと顔を見ていると ､ 『 もしかして ､ 惚れちゃった ? 』と 新しいおもちゃでも見つけたかのように楽しそうにする 。



「 黒尾先輩に惚れる人は趣味が悪そうですね 」

「 え !? 君 ､ 趣味悪いの ? 」

「 僕の話じゃない !! 黒尾先輩みたいな初対面から無神経で頭のおかしい人は好きになりません 」

「 そんなに否定しなくてもぉ ､ しくしく 」



わざとらしい噓泣きをする先輩を置いてそそくさと中庭に入る 。
早歩きで動いても ､ なんの平然もなく横を歩く彼に少しだけ悔しさを覚えた 。

中庭のベンチ(特等席)には親友の姿は見当たらず ､ いつもご飯を強請る人懐っこい黒色の野良猫が一匹いるだけだ 。



「 今日はいつも一緒に食べてる幼馴染みが休んだんです ー 」

「 へ 〜 そうなんですか 」

「 いや ､ 興味薄 !! そっちから聞いてきたのに !! 」

「 その幼馴染さんはゲイ友ですか ? 」

「 ふッ ､ ごめっ .. 自分でゲイ友って言ったのに面白くなっちゃって 。大丈夫 ､ 俺の幼馴染は普通にノーマル 。何なら彼女もいる 」

「 ふ 〜 ん .. 」



黒尾先輩はこんななのに ､ 幼馴染さんは普通なんだ 。
類は友を呼ぶやらなんやら .. 。

興味なさげに水筒のお茶を飲みながら『 千春まだかな 〜 』と野良猫を撫でた 。





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