【 HQ !! 】※ だから ､ 女だってば 。【 黒尾鉄朗 】

女ですけど 02 ページ2

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「 あの ､ 僕 もう帰りたいんで ､ 退けてくれませんか ? 」

「 君さ ､ この学校でゲイとして有名なの知ってる ? 」

「 初対面の人にそういう事言っちゃいけないって教わらなかったんですか ? 」

「 否定しないって事はやっぱり 〜 ? 」



避けようと左右に動くが ､ 目の前の壁もニヤニヤと笑いながら楽しそうに一緒に動いて自分の進行経路を断つ。
否定するのもめんどくさいが ､ まともに取り合ってあげないと家に帰してくれなさそうだ ｡

小さなため息が零れる ｡



「 何かと誤解してるのでは ? きっと誰かと間違えてると思います ｡ という事なので ､ 退けてください 」

「 えー ､ 折角 ゲイ友が増えると思ったのに 」

「 .. .. え ､ ？ 」



突然のゲイ宣言 。
知らない人の知らなくていい事実をしりました 。

いや ､ いきなり“ 俺はゲイで 〜 す ”と 言われたとしてもだ 。
キモイとか ､ 軽蔑するとか ､ そういった感情はない 。
人には人の恋愛価値観があるわけだし 。
現に ､ 今まで告白してくれた女の子たちも ､ もしかしたら女の僕を好きになってくれた子もいたかもしれない 。

だからといって ､ 初めて会って数分の人だ 。
仮に学校ですれ違ったことがあったとしても ､ 僕は知らないし ､ 知らないからこそ普通に不審者じゃないか ?
初めましてだって言うのに ､ ゲイ呼ばりするし 。


意味の分からない行動を理解しようと一生懸命思考を巡らせていたら ､ 目の前の人物は手を差し出してきた 。
彼の行動原理に理解ができなくて首を傾げていると声をかけてくる 。



「 俺 ､ 黒尾鉄朗 ｡ ３年生です ｡ てことでスマホ貸して ､ 」

「 え ､ ぁ ､ はい .. ? って あっ !! 」



なんとも素敵な笑顔で言うもんだから流されるように携帯を渡してしまった 。
返してもらおうと手を伸ばすが ､ スッと 背伸びをしても届かない高さまで上げられる 。


「 確か ､ 黒瀬 A だったよね ｡ よろしくな ､ ゲイ友 」

「 なんで僕の名前 ｡ .. 何勝手にLINE追加したんですか !! 」



はい ､ と携帯を返してきた 。
中身を確認すると LINEが開かれており ､ 数少ない友達の中に“ 黒尾鉄朗 ”という文字を見つける 。

めんどくさいな ､ と今日で何度目かのため息が漏れた 。





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