【 HQ !! 】※ だから ､ 女だってば 。【 黒尾鉄朗 】

女ですけど 01 ページ1

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「 はぁ ､ 今年で何回目だろう .. ｡ 女の子からの告白って .. 」



5月中旬 ､ 天気は晴れ ｡
時間は多分16時ぐらい ｡
去って行った彼女と鉢合わせないように少しだけ木陰で休憩する。

ピコンと通知音が聞こえ ､ 携帯を見てみると親友の千春から『 どこにいる ? 』と連絡が来ていた ｡



「 体育館裏にいるけどすぐ行くよ ､ と ｡ .. .. はぁ ､ 告白だって分かってたら前もって連絡したんだけどなぁ .. 」



木の幹に腰を下ろし ､ 小さなひとり反省会が始まる ｡
幼少期の頃から自分が人より注目を浴びやすい自覚はあった ｡
中性的な見た目をしていた僕を ､ 男と勘違いした同世代の女の子から告白される事が多く ､ 自分の悩みの種である ｡

勿論 ､ 告白される事もモテる事も嬉しくないと言えば嘘で ｡
好きという感情を人に伝えるなんて ､ 凄い勇気だと思う ｡
でも僕の恋愛対象は残念ながら男性であり ､ 女の子に恋愛感情を持つことは出来なかった ｡
あまりにも同性に告白される事しか無かったから ､ 実は僕も女の子が好きかも .. ? と ､ 一度だけ若いながらお付き合いした事があるが ､ “ あぁ ､ 本当に女なんだ ” と幻滅され ､ この関係は一切無かったことにされた ｡

それ以来 ､ “ 僕 ､ 女だから ” と 律儀に断っていたが ､ 今は彼女を作る気は無い ( 嘘はついていない ) と なるべく傷つかない様にやんわりお断りする毎日で ｡



「 何がダメなのかなぁ .. 」



顔立ちと声が少し低く一人称が僕以外ちゃんと女性と思わせるような服装や持ち物にしてある ｡
ただ ､ 制服のリボンやスカートを履いても女として見られないのは中学生の頃に経験済み ｡

当時 ､ 通りすがりの子供に「 何であの人男の子なのにスカート履いてるの ? 」とそばにいた父親に言っているのが聞こえたから ｡

悪気がないという事は分かってはいるが ､ 改めて思い出すと少し気持ちが沈む ｡



「 .. 帰ろ ､ 」



今日は職員会議かなんかで部活が休みである ｡
ボールの跳ねる音や地面を蹴る音 ､ 掛け声も一切聞こえてこない体育館に少し寂しさを覚えたが ､ これ以上親友を待たせる訳にも行かないと下駄箱へと向かう ｡



「 へぇ ､ ゲイって本当だったんだね 」



向かおうと思った進行方向に ､ 黒い大きな影が声をかけてくる ｡
顔を上げると ､ そこには身長の高いトサカヘッドの男が立っていた ｡





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