急げ ページ10
しのぶはテンに「さてと、あたしは因幡さんのとこに行くからもう行くわね」と言って去っていった。
「バイバーイしのぶねぇちゃーん！」
テンはしのぶに向けていた可愛らしい笑顔をさっと面倒臭そうな顔に変え、あたるを見る。
「お前いつまで悩んどんのや？しのぶねぇちゃんが解決したやろ」
「ラムは約束よりも怒ってるなにかがあると言っていた…」
「そもそも約束破ったお前が悪いやんけ」
「破ってな…」
あたるが思わず口をついて出てしまい、慌てて口をおさえる。
「え？」
「いやなんでもない」
あたるが一瞬破ってないと言いかけたとテンは思い、じーっと見つめる。
「破ってないんか」
「い、いや破った。」
さらにじーっと見つめる。
「だって約束破ったこと認めたらもっと怒って電撃食らわされるだろ」
「だから意地でも破ってない言い張っとるんか。ほんまアホやな〜」
テンが「アホ」を強調して言う。
「お前に言われたくないわぃっ！」
ぺしんっとフライパンで叩き落とす。
「もうついてくんなよ〜」
あたるがテンを置いてスタスタと早歩きで進み出す。
「来るな言うてもわいの家はお前ん家や！」
テンはすぐに浮かび上がりあたるを追いかけていく。
あたるは家の扉を乱暴に開け放つ。
「母さん！ラムいる！？」
「さっき帰ってきてまたどこかへ行っちゃったわよ」
あたるがその言葉を聞いて玄関にカバンを雑に放り投げる。
それに気づいたあたるの母が部屋から飛び出し、怒る。
「ちょっとあたる！？ちゃんと自分の部屋に持っていきなさい！」
「今それどこじゃねーんだよ！」
全く聞く耳を持たず背を向ける息子の姿に母親はため息をつく。
「全く…ラムちゃんがどうしたのかしら」
あたるはそのまま外に飛び出した。
「あたるー！」
遅れてやってきたテンが慌てて方向転換をしてあたるを追いかけていく。
じたばたと一生懸命手を動かして飛びながらあたるに言う。
「お前どこ行くんや！？」
「俺の勝手じゃ！」
全力ダッシュで走り抜けていくあたるに追いつけるはずもなく、ついていくのがやっとだ。
「お、お前な、少しくらい待ってくれたっていいやろ！」
「なんでお前を待たにゃならんのじゃ」
テンの言葉には耳を傾けずにその足を止めない。
(デートの場所まで言ってなかったけど…多分あそこだよな…)
あたるがようやく立ち止まった時、テンは疲れ果てていた。
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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます！原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります（笑）こ、公式スピンオフ！？もしそうなったら嬉しすぎますね！？そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます！ (2022年10月19日 17時) (
レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました！原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います！！ (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー！！ラム可愛いよね！一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ！ラムちゃん可愛いですよねぇ(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月フウカ | 作成日時：2018年7月16日 17時
