ラムの想い ページ9
『アホ、んなもんつけれるか。それに…うわっ、庶民の買うもんじゃないな。面堂にでも頼め。アイツならこころよーく買ってくれるぞ』
『む〜、うちはダーリンに買ってほしいのに』
ラムが頬を膨らませて言う。
『お前はどうしてそう俺の財布の中身を減らそうとするのだ!』
財布をひっくり返してすっからかんな事を見せつける。
『別にそーゆーつもりじゃないっちゃ!だってダーリンうちになーんにも買ってくれないんだもん』
『俺の財布の中身は常にすっからかんだからな〜買おうにも買えんわ。特にこーゆー高級なのは』
『ふーん。じゃぁ安いので良いから買って!』
『なぜそうなる!』
『じゃぁ今すぐじゃなくてもいいから次のデートまでにペアの何かを買ってくれたらそれでいいっちゃ。』
『……よし分かった。買ってやろう』
『やったー!』
次のデートなんていつになるか分からんしな、と軽く考えており…そういう約束をしたのを思い出した。
しかしその約束も随分前だ。
確か2ヶ月ほど前にデパートかなにかに行ったときの…
「2ヶ月も前の約束なんか?」
テンが急に突っ込んできて現実に引き戻される。
「なんで知っとるんじゃ」
「お前気づいてないんか?心の声がだだ漏れやったで〜」
昔から心の中だけでとどめておくのは苦手なのだ。
聞かれてしまったものは仕方ないが、よりによってジャリテンに聞かれてしまうとは…と墓穴をほった自分に落胆する。
そして口を開く。
「アイツは2ヶ月も前の古い約束なんか引っ張り出して怒っとったのか…」
「違うわよ」
唐突にあたるでもテンでもない声がして二人は驚く。
声の方向を向くと、そこにはかつてのあたるの恋人しのぶの姿があった。
「しのぶ〜!」
とあたるがしのぶに向かっていくが、しのぶが強烈なパンチを食らわせる。
「2ヶ月も前の約束を2ヶ月間ずっと忘れないくらい楽しみにしてたんでしょ?それをあっさり裏切られたんだったら誰だって怒るわ」
「…うーむ…ほんとにそれで怒っとるのかな?」
「そうよ!あたるくんって毎日毎日飽きもせずガールハントやってるのに女心が意外と分かってないわよね」
そしてしのぶが付け加える。
「特にラムの心は」
そう言われてあたるがハッとなる。
確かに…言われてみればそうだ。
(確かにラムの心が一番分からん。アイツはいつも何考えとんのか全く…。…あれ?待てよ、約束よりもそっちに怒ってるっちゃとか言ってなかったか…?そっちってなんだよ…?)
うーむと一人で考え出すあたる。
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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます!原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります(笑)こ、公式スピンオフ!?もしそうなったら嬉しすぎますね!?そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます! (2022年10月19日 17時) (レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました!原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います!! (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー!!ラム可愛いよね!一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ!ラムちゃん可愛いですよねぇ(ノ≧▽≦)ノ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年7月16日 17時