美人巫女サクラ ページ5
足にすがりついてくるあたるを蹴り飛ばしながらテンにたずねる。
「俺に聞けよ!」
「お主に聞いても無駄じゃ」
「そやな〜日頃の行いが違うからな〜…。サクラねぇちゃん!あのなあのな!コイツ、ついさっきラムちゃんにフラレたんやで!」
満面の笑みでテンが言い、あたるがペンッと叩き落とす。
地面に落ちると同時に「いてっ」と声が上がった。
「フラレた?」
少し遅れてサクラが怪訝そうに聞く。
「どういうことじゃ?ラムも遂にこのアホに愛想をつかしたのか?」
「えぇ、そうなんです。だからこれで心置きなく付き合えますね!」
サクラの両手を掴みキラキラの瞳であたるが見つめる。
「やかましい!」
そしていつも通りサクラが力いっぱい拳を引き、あたるの顔面を殴る。
こうなること承知で本人もやっている。
「で、お主達に何があったのじゃ」
即座に立ち上がり、頭で腕を組む。
「別になんもねーよ」
あたるはラム関連の事となるとすぐにこういうそっけない態度に変わる。
「あ、それわいも聞いてないで!」
「だーかーら!別になんもねーって」
あたるが明後日の方向を向く。
ラムがいつも以上に激怒したのは…理由が、ある。
いつも通りラムと一緒に学校に向かっていた時、道の途中に可愛らしい女の子がいたため、いつものように口説いたらなぜかいつも以上に激怒したというわけだ。
その話をあたるが言うと、サクラが首を傾げる。
「なんじゃ、それはいつもの事ではないか?」
「俺もそう思うんだけどなぁ…なんでだろ?」
「やっぱりアホのあたるに愛想尽かしたんや〜!」
テンが嬉しそうに言ったので、
「じゃかましぃわいっ!」
またもやテンをペンッと叩いて地面に落とす。
「いてっ…やったなー!」
あたるに向けてゴォーッと燃えさかる炎を放つ。
あたるは今度はどこからかフライパンを取り出し、防御する。
サクラがあたるやテンが戦っている方向とは全く違う方向を見ていたのに気づき、二人同時にそちらを向く。
その方向にはラムがいたはずだが、そこには誰もいなかった。
「お主がアホなことをするからラムがいなくなってしまったではないか」
「どこ行ったんだ?」
「普通に考えて教室やろ?」
テンがふわふわと教室に向けて飛んでゆく。
その様子を無言で二人が眺める。
サクラがあたるを見ながら言う。
「お主はどうするのじゃ?」
「アホらしい。俺も教室に戻るわ」
そう言ってフラフラと歩き出し、壁に何度もぶつかりながら教室に戻っていく。
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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます!原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります(笑)こ、公式スピンオフ!?もしそうなったら嬉しすぎますね!?そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます! (2022年10月19日 17時) (レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました!原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います!! (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー!!ラム可愛いよね!一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ!ラムちゃん可愛いですよねぇ(ノ≧▽≦)ノ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年7月16日 17時