うる星やつら 二人の愛の危機！？

あなたの一番大切な人は…？ ページ28

「なっ！お前嘘ついたな！？そんな質問無いと言ったではないか！」
ラムは確かにさっき適当に言ってしまったのだが、まさかあるとは思っていなかったのだ。
「あれー？パッと見た時にはなかったから…ごめんちゃ！…でも約束は約束だっちゃよ！さぁ…ダーリン！言うっちゃ！」
「だっ、誰が言うかー！」
あたるはJOKERを真上に放り投げてドアを勢いよく開け放って逃げ出す。
ラムは「あーっ！ダーリン！待つっちゃーーー！」と言って即座に追いかける。
あたるはそのまま全速力で逃げていく。
開きっぱなしで投げ捨てられたその本には、大きな文字でハッキリと、『あなたの一番大切な人は誰？』と書かれていた。
これこそあたるが避けたかった質問と言っても過言ではない。
あたるは意地でも答える気はなかった。
ラムは全く縮まらない距離に、これではいつまでたっても追いつけないと思い、作戦を変えて「あ！美人！」と適当な方向を指差して叫ぶ。
するとあたるは案の定簡単に引っかかり「え？どこどこ！？」と右に左に首を振る。
情けないと思いつつもその瞬間をついてラムがあたるを捕まえる。
あたるが「しまった！」とまんまとひっかかってしまったことに気づき、ラムから逃げ出そうとするが、ラムは逃がそうとしない。
質問の答えをしつこく迫られると思ってあたるが耳を塞ごうとすると、ラムが予想外の事を言った。
「じゃぁ、うちもあの質問に答えるっちゃ！ダーリン当ててみて！」
「んぁ？」
そうくるとは思ってなかったらしく、あたるは何度も瞬きを繰り返す。
「うちのいっちばん大切な人は、誰でしょう！」
ニコニコしながらラムが言うとあたるが黙り込む。
その答えは最初から決まっているようなものだが、あたるは照れて言わない。
「んなもん誰だって自分が一番に決まっとるだろうが」
ラムを見ないようにして言うと、ラムがムッとして言い返す。
あたるから離れて空中に飛び上がる。
「そんなわけないっちゃ！本気で言ってるのけ！？うちの大切な人はっ……！」
ピリピリとラムから大量の電気が放出される。
そしてあたるがボソッと呟く。
「…まぁ実際俺も違うけどな」
その言葉でラムから電気が一気に消え失せ、きょとんとして瞬きする。
そしてあたるの腕を引っ張って聞いてくる。
あたるはラムの様子が変わったことに気づき、一瞬「ん？」となり、本音を漏らしてしまったことに気づき、ハッとしてそっぽを向く。

誰？→←あたるVSラム

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