哀れ面堂終太郎！ ページ25
「もーろーぼーしー」
血走った目であたるを攻める。
「お前の負けじゃ」
刀を即座に受け止め、ニヤリとあたるが笑う。
「ラムさん！こんなアホ捨てたんですよね！？僕とデートしてくだ…」
あたるは終太郎の言葉を即座に遮り、最後まで言わせない。
「あぁ、まだジャリテンの話を聞いとらんのか。残念ながらラムはもう誰ともデートせんぞ」
腕を組んでそう言うと、ラムが続けて言う。
「ごめんちゃ、終太郎。」
本人からのその言葉がトドメとなり、終太郎の胸にグサッと突き刺さり、その場に倒れる。
刀を地面に突き刺し、「おい面堂！俺ん家の床に刀刺すな！！」というあたるの怒号を聞き流し、それを杖にしてなんとかその場に危なっかしく揺れながらも立ち上がる。
「だ、大丈夫ですよ、ラムさん…で、ですが、いつの日か必ず、過ちを認めて僕の所に来てくれる事を信じています…」
精神的ダメージがまだ癒えず、息も絶え絶えに終太郎が言う。
「…」
その言葉にムッとしてあたるがハンマーで殴ろうとすると、どこからか黒子が音もなく現れ、あたるにスイッチを手渡す。
あたるは少し眺めたあと無言でスイッチを容赦なく押す。
するとピンポイントで終太郎の上に鐘が降ってきた。
「わ〜っ！暗いよ狭いよ怖いよ〜〜〜」
黒子はそのまま鐘を何重にも重ねて割られないようにし、終太郎ごと運んでいく。
このまま運んでいってくれるらしい。
黒子の中の一人がすすっと音もなく進み出てあたるにぺこりと頭を下げる。
黒子の主は終太郎の妹、了子であるため、おそらく諸星家に遣わしたのも了子の仕業だろう。
そう二人が考えていると黒子が話し出した。
「了子様より諸星様に伝言でございます。『お兄さまがご迷惑をおかけいたしました。また今度面堂邸にもいらしてくださいね、お待ちしていますわ、諸星様』」
黒子がまたぺこりとお辞儀をして去っていく。
あたるはその言葉ににんまりと笑って黒子に手を振る。
「了子ちゃんによろしくね〜っっ！」
そのまま黒子についていきそうなあたるを無理やりラムがおさえつける。
「了子も相変わらずだっちゃね〜」
ラムが呆れる。
終太郎、黒子もいなくなり、騒ぎ放題だったリビングが急に静かになると、あたるが突然立ち上がって歩き出す。
「どこ行くっちゃダーリン！」
ラムが飛び上がってあたるの後ろをピューっとついていく。
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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます！原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります（笑）こ、公式スピンオフ！？もしそうなったら嬉しすぎますね！？そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます！ (2022年10月19日 17時) (
レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました！原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います！！ (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー！！ラム可愛いよね！一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ！ラムちゃん可愛いですよねぇ(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月フウカ | 作成日時：2018年7月16日 17時
