うる星やつら 二人の愛の危機！？

残念ながら… ページ24

「ん？なんだよ、俺の顔になんかついてるのか？」
「ついてるっちゃ」
顔にみかんの皮の一部がついているから見ていたというわけではないのだが、ラムがあたるの頬からそれを取ってあげる。
あたるは「自分で出来るわい」と言いながらそっぽを向く。
「あ、それでね」
「ん？」
急に話題を変えたので、驚いてラムの方を向く。
ラムはいたずらっぽく笑って言った。
「今日一日、『ダーリン』って呼んでもらえなくて、悲しかったっちゃ？」
ラムはワザと言わなかったので、あたるはきっと動揺しているだろうと思っていたらしい。
案の定分かりやすく動揺して「そ、そんなわけなかろうが！俺はランちゃんに呼んでもらえたからいーもんね」と再び明後日の方向を見て言う。
「へぇ〜？じゃぁ今日から終太郎を、『ダーリン』って呼ぼうかな〜？」
空中でくるりと回転して言うとあたるがその言葉に反応して「えっ」とラムの方を向く。
ラムはその隙をついて頬に軽く口づけをすると、笑う。
「ふふ、嘘だっちゃ。うちのダーリンは、ダーリンだけだっちゃよ」
「なんじゃそりゃ」
あたるは恥ずかしそうに自分の頬をおさえつつも、少し嬉しそうにしていた。
するとどこからか情報を聞きつけたとある人物が諸星家に乱入し、リビングの扉をスパンと開いた。
「それは本当ですかラムさん！」
その正体の終太郎はキラキラと目を輝かせて言う。
「ん？なんの話だっちゃ？」
当の本人ラムはよく分からなそうに言う。
「己はっ！人の家に入り込みおって！」
あたるはハンマーを取り出してぶん殴る。
終太郎はチャキッと刀を取り出し、あたるに突きつける。
あたるはハシっと受け止め、たずねる。
「おい面堂、なぜ貴様が俺の家にいるのだ！？」
「ふっふっふ、我が面堂財閥の情報網をなめてもらっては困る！ラムさんがたった今！僕の事をダーリンと呼ぶと言ったではないか！」
「都合の良いとこだけ切り取りおって。その後にラムがなんて言ったか知らんのか」
「ん？その後？」
「さぁ、ラム！再現してみせなさい！」
あたるがビシッとラムを指差す。
終太郎がラムを見ると、ラムが言った。
「ふふ、嘘だっちゃ。うちのダーリンは、ダーリンだけだっちゃよ」
少し棒読みでラムが先程の言葉を思い出しながら言うと、終太郎は物凄いダメージをうけた。
あたるは「にゃははは、残念だったな面堂！」と勝ち誇った笑みを浮かべる。
地面に倒れながら、終太郎はあたるの言葉を聞いた途端に復活して刀を突きつける。

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