うる星やつら 二人の愛の危機！？

美人に釣られた末路 ページ19

ラムの電撃に痺れながらもあたるが反論する。
「経緯が悪いっちゃぁぁぁっ！」
しかしそれも言い訳とラムの怒りに油を注ぐ行為に過ぎなかった。
たっぷり電撃をお見舞いしたあと、ラムがネックレスを見ながら笑う。
「でも美人に釣られて買ったのにうちの名前を入れてくれたんだっちゃね」
「だからそれはその美人のお姉さんに上手くはめられたんだよ！」
電撃で死にかけてたあたるが即座に立ち上がって反論する。
ゴキブリ並みの生命力を持ち、次のコマでは不死鳥のごとく瞬時に復活する諸星あたるの名は伊達ではなかった。
そして…さすがはデパートの店員。
あたるのような客の対応にも慣れていた。
美人の店員が『あなたの名前と、相手方の名前を教えてください』とあたるに尋ね、あたるは『私の名前は諸星あたる。相手方は私の目の前にいる美しいあなたです』といつものように口説いて手を握ったのだが、即座に強い力で振り払われ、『相手方のお名前は？』と今度は鋭い視線であたるを睨みつけ脅迫じみた言い方で聞かれ、思わず『ラ、ラムです…』と答えてしまったのだ。
あとから周りの店員に聞いたところ、あたるを担当していた美人店員は元ヤンだったそうだ。
そして名前を聞き出した美人店員は10分後にまた来てくださいと言ってネックレスを持っていってしまったので、あたるは最後の抵抗でもらわずにそのまま帰ろうかと思ったが、代金を前払いさせられたので、受け取るしか手段がなくなってしまったというわけだ。
それを説明されてもラムはなお喜んでいた。
なぜなら、本気で嫌ならあたるはどんな方法でかかってきても絶対に一銭も出さないという性格を知っていたからだ。
ラムはさっきまで怒っていた事なんてすっかり忘れてニコニコと笑っている。
しかしその笑いが逆に怖かったらしく、あたるが後ずさりして「な、なんだよ…」と言う。
次の瞬間ラムはあたるに抱きついて言った。
「ダーリン、明日から学校にこれつけてくっちゃ」
その言葉の意味を理解した途端、顔を赤くしてラムを引き剥がし、
「バカっ、そんな恥ずかしい真似出来るかっ！それに男はネックレスなんぞつけん！」
全力で首を振るあたるにラムが笑う。
「えーせっかく買ってくれたのにつけないのけ？」
残念そうに口を尖らせて言う。
本人は本気でつけていく気だったらしい。
「絶対につけん！」
あたるは意地でもつける気はない。
「あ、もしかして自分で出来ないのけ？」
「出来るわ！」

意地でもつけない→←本当は

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