本当は ページ18
あたるがラムの方を見ると、ペアネックレスを握りしめてうつむきながら震えている。
「ダーリン……」
「…なっ、なんだよ、約束破ってないだろ！？そりゃぁデートすっぽかしたのは悪かったけど…。」
最後の方は消え入りそうに小さな声になりながらも、反省の意思を表す。
「うち嬉しいっちゃぁぁっ」
「どわっ」
ラムがほぼ体当たりであたるに抱きつく。
あたるはなんとかラムを支える。
ラムは嬉しすぎて少し涙が出ている。
「だってこれ…高くて買えないって言ってたやつだっちゃ」
「あぁ。コイツのおかげで買い食いに使おうと思ってた小遣いがなくなった」
「でも、買ってくれたのけ？ダーリンやっぱり優しいっちゃ！！」
ラムはぎゅ〜っと強く抱きしめる。
あたるはここまで喜んでくれるとは思っていなかったので、もっと早く渡せば良かったと思う。
実はもっと前に買っておいたのだが、デートをしなかったせいでその存在を忘れていたのだ。
テンとの言い争いの時くらいで思い出したのだが、意地を張って隠していたのだ。
「…ラム」
「なんだっちゃ？」
「…ごめんな。約束、忘れてて」
あたるが珍しく反省をしているので、ラムが目をぱちくりさせる。
「もう良いっちゃよ。ダーリンはちゃーんとうちとの約束、守ってくれてたっちゃ」
ラムは言葉を続ける。
「でもダーリンがいくらうちの頼みとはいえ…なにか買ってくれるなんて珍しいっちゃね。いつもだったら絶対誤魔化すのに」
「そやな〜アホのあたるがラムちゃんになんかプレゼントするなんて珍しいな〜」
二人の言葉にあたるの心臓がドキッと脈打つ。
つまりそういうことだ。
決して、ラムから逃げている時に偶然デパートに逃げ込んで、偶然そのペアネックレスを見つけて『そういやこれ欲しがってたなー』と眺めていたら、美人のお姉さんが『お買い求めですか？』と話しかけてきて断れなかったから、ではないのだ。
決してない！
と、言う事を心の中で考えていたつもりのあたるだったが、あたるにそんな器用なマネはできず、思いきり心の声がだだ漏れだった。
「アホやな〜」
テンが呆れる。
そしてラムの体内で耐えきれなくなった電気がバチバチッと音を立てる。
ラムは震えながら言う。
「やっぱりそういうことだっちゃね…？…うち…うち嬉しかったのに！ダーリンのぶぁかーーーーっっ」
あたるに向けて強力な電撃を放つ。
「うぎゃぁぁぁっっ！経緯はどうあれちゃんと買ってやっただろーが！」
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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます！原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります（笑）こ、公式スピンオフ！？もしそうなったら嬉しすぎますね！？そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます！ (2022年10月19日 17時) (
レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました！原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います！！ (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー！！ラム可愛いよね！一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ！ラムちゃん可愛いですよねぇ(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月フウカ | 作成日時：2018年7月16日 17時
